ヒートウェイヴ結成30周年記念ライヴ

徹頭徹尾、四人の、バンドの音だった。
ヒートウェイヴ結成30周年ツアーの最終日、東京公演。
山口洋は、「みんなの日々のリポビタンEになるような曲を書きたい」とステージで言っていた。
ラソンランナーがレース中に自分を叱咤激励するための言葉、村上春樹はそれを「マントラ」と表したけど、それではちょっと宗教っぽい(密教?)。リポビタンDよりも強いリポビタンE。僕は、単純に「かけ声」と呼ぶことにします。日々のかけ声。この日、演奏された「Life goes on」がそれだ。ピンチの時に輝くんだ。
今年3月の僕のはじめてのフルマラソンで、30キロを過ぎてそれまでの自分にとって未知の距離に出た僕の頭の中で繰り返し唱えられていたかけ声は、なぜか前夜観た演劇での「せーの、どん」という台詞だった。この芝居(『転校生』)を観てない人には、文字通り「かけ声」(それも走るには不似合いな)にしか思えないだろうこの言葉みたいな力をもつものが、日々のピンチや、マラソンの30キロ過ぎには必要なんだ。
ヒートウェイヴはそれを音で奏でた。今週末の「つくばマラソン」で、ピンチになったら唱えます。Life goes on。