ビートとメロディーがレシピ


清志郎のかわりなんて誰もなれないけど、音楽は何度でも僕を蘇生させてくれる、と思った表参道の夜でした。
抜き身の日本刀のようなShing02は、歪曲バンドによって絶妙な揺らぎを得る。それがすごくいい。
剣道でいうと、単体のShing02はまったく隙のない正眼の構え。でも、ドラム、キーボード、バイオリン、DJ、琵琶という5人編成の歪曲バンドが織りなす人力グルーヴが加わることで、観客との間合いを緊張感から解放感に変える(和装で、髪も後ろで縦に結っていた昨夜のShing02井上雄彦のマンガに出てきそうな佇まいだった)。
清志郎の話の続き。僕は昨日、夜にマンションのゴミ集積所にゴミを捨てに行く以外、部屋から出られなかった。テレビもインターネットの情報も遮断して、『ラプソディ』を聴いていた。外出時間は夜になってのゴミ捨ての数分のみ。最強のひきこもり。今日だって僕が大阪にいれば、三宅伸治が出演したイベントに行ってたかもしれない(でも、山口洋の日記を読んで満足した。こうやって伝えてくれる人に感謝)。それでも東京の僕は雨の中、青山にShing02を観に行き、友だちと会い、清志郎とはまったく違った音楽のビートとメロディーを処方された。もう大丈夫。去年の横須賀かねよ食堂以来のShing02+歪曲バンド、最高。