魔女の帽子で走った/「土と平和の祭典」

国立競技場から銀杏並木を仮装で走る「東京10Kハロウィンラン」に参加してきました。僕は昨日まで、仮装についての準備をしていなくて、結局、テキトーな安売り店で買った魔女のとんがり帽子をかぶるだけの手抜き。
会場の国立競技場は、ハロウィン関連の仮装がいちばん多かったけど、中には鎧甲の人とか、マリオとか、ドラゴンボールとか、メイド服とか、猫耳とか、面白いことになってました。ハロウィンかぼちゃのデコレーションも会場中にあったり、大道芸の人たちがいたり、子ども用にかぼちゃ型のエアドームがあって中で子どもたちが飛び跳ねてたり、ゲストに千葉真子さん(面白い声のマラソンランナー)と、アサファ・パウエル選手(北京オリンピック400メートルリレー金メダリスト)が来たり、登録もスムーズだし(8月に出た別のレースと大違い! まああれは無料だったからなあ)、スタートとゴールは国立競技場のトラックを走れるわけだし、文句はまったくない。
でも、落とし穴がありました。「特別協賛」がアムウェイ……。大会名の前に、「ニュートリライト」という意味不明の冠が付いてたんだけど、それがアムウェイが販売するサプリメントだった。会場に来て知った……。野田聖子議員の仮装すればよかった。どんなんだ、それ?
レースは子どもは1キロ、大人は5キロと10キロがあるのだけど、僕が参加しようと思った時点ですでに10キロは定員いっぱいで受付終了だったので、5キロにエントリー。僕は普段、10キロを練習しながらフルマラソンを狙ってるので、距離に不安はまったくないけど、5キロのレースには出たことがなかったのでペースがわからない。それに「ハロウィンラン」でみんな仮装でスローペースかと思ってたのに、スタートラインに着いた7割ぐらいの人は仮装なし。本気スタイル。僕の近くにいたお揃いのランニングウェア集団(高校の名前入りだから陸上部だと思う)は、「17分台で〜」 と、とんでもないこと言ってる。
で、スタートしたら案の定、(僕にとっては)高速レースで、僕は本気ランナー集団の中で、魔女のとんがり帽子をかぶって走ってたのです。1キロ表示のところで(この大会は1キロごとに距離表示があった! うれしい!)、4分を切ってしまったので「やばい、ペースが速すぎる!」と思ったけど、もう流れにのるまま。5キロしかないから全力で行こうと覚悟決めました。さすがに後半、ペースが落ちたけど、最後、トラックに戻る直前に、スタート時に密かに目標としていた前述の高校陸上部のひとりを抜いた! 女子だったけど、それでも現役高校陸上部を抜いたってすごくない? タイムは僕の腕時計で21分11秒でした。
レースを速く走り切って、すぐに日比谷公園まで移動すれば「土と平和の祭典」FUNKISTの出番に間に合うので、隣の明治公園の反貧困集会をまったく覗かずに、着替えて素早く移動。ちょうど間に合った。日比谷野音でも、小音楽堂でもなく、日比谷公園内の芝生の広場を使ったフェス。空の下に広がる会場を見渡した瞬間に、数年前に新宿御苑で行なわれた「天狗フェス」を連想したけど、日比谷公園だから御苑よりもいい感じでコンパクト。芝生の真ん中には竹と笹で組まれた半球状のドームがあって、子どもたちの遊び場になってるし、出店してるお店はオーガニックな農産物関係がほとんど。だから「天狗フェス」+「アースガーデン」÷2、みたいな感じ。実際に、こういうフェスのプロ中のプロ、南兵衛さんが会場にいたので、アースガーデンや朝霧JAMの感じに似てるのも当然でした。さすが。
でも、この「土と平和の祭典」のオーガナイザー(実行委員長)はyaeさんで、ミュージシャンがリーダーシップをとり、その志を共有する人たちで創られたフェスなんだ、というのは着いて10分ぐらいで理解できました。
会場にはゴミ箱ゼロ! 「このイベントはマイバッグ・マイ食器持参イベントです」という案内も、帰宅後サイトを見て初めて知ったのだけど、集まってた人たちもみんなこのイベントの趣旨を理解してたんだろうな。気持ちよかった!
長距離走を趣味とするミュージシャンをシリーズでインタビューしたいなという企画が自分の中であったけど、会場でotoさんとちょっと話してるときに、「農」に関わってるミュージシャンたちにも「食」をテーマにシリーズ・インタビューしたいという思いに駆られました。加藤登紀子さん、yaeさんはもちろん、少なくないですからね。
加藤登紀子さんは「無邪気」に、FUNKISTのライヴ中にステージに上がって手持ちビデオまわしてた! そしてFUNKISTのライヴの最後に想像もしてなかったコラボレーション! 加藤登紀子さん+FUNKISTによる「POWER TO THE PEOPLE」。2006年フジロックでの、カクマクシャカとの共演を思い出した! 「いやな生き方をしないことが、革命なのよ」という登紀子さんの言葉も、すごくよかった。西郷どんは、「レボリューション」を受け継がされてたよ。光栄だっただろうなあ。
イベントの最後の出演者は、奄美唄者朝崎郁恵さん。ラストは「豊年節〜六調」で、今日の出演者全員がステージにあがって、踊る。奄美のこの踊りもカチャーシー? とても気持ちのいいイベントでした!
下の写真は、うちの犬にアタックされてるハロウィンかぼちゃ。