ビルマサイクロン被災者救援チャリティコンサート

地下鉄を2回も乗り間違えて、「ビルマサイクロン被災者救援チャリティコンサート」会場に着いたのは、根本敬教授(あの特殊漫画家とは同名異人の上智大学教授)のビルマの現状についての講義の途中でした。
軍事政権への経済制裁(世界はあなたたちを見ている、ということを意味する)、政権を通さない被災者救援のための助け、民主化へ向けての働きかけなどが必要だけど、ビルマの人たちのことを忘れないのがいちばん大事であり、それがビルマ(ああ、「ビルマ」変換の際にいつも出てくる、「地名変更→ミャンマー」という表記がうっとおしい。「ミャンマー」は軍事政権の名前だ)の人々へ勇気を与える連帯となる。
続いての沢知恵さんのコンサート。8月に代官山でライヴを観たけど、今日の気迫は凄かった(でも、観客に緊張を強いるタイプではない。むしろ逆)。
沢さんの母親が、1970年代に韓国で「民主化運動の母」と呼ばれてたということもMCで初めて知った。だからこそ、アンコールの曲を「アウンサンスーチーさんに捧げます」と言ったのだろうし、父親が牧師さんの彼女が、背中に「we are buddhist, too」とプリントされた、ミャンマー軍事政権に抗議するTシャツを着てステージに再登場したのも(それまでは純白のドレスだった)、本編最後の曲のように、まさに「ライン」を越えようという姿勢なんだと思った。
ゲストに登場したいとうせいこうさんの『ミャンマー軍事政権に抗議するポエトリーリーディング』は、4月の代々木公園以来(その日の僕の日記→http://d.hatena.ne.jp/tuktukcafe06/20080419)。今回は沢知恵さんのピアノと、DUB MASTER XによるDUBでの、QUIETバージョン。
4月のときのような、思わず踊りたくなる(「蜂起」といったほうがいいかも)バージョンではないけど、一語一語に魂が込められた、言葉使い、「解体屋」、いとうせいこうさんならではのリーディング。椅子に座ったまま、前のめりになって僕は「応答」しました。沢さんのピアノ、バッキング・ヴォーカルも素晴らしかった。
このコンサートの収益金は、「ビルマ(ミャンマー)のサイクロン被災者救援と現地復興のために、軍政を経由せず確実な方法で使われます」ということだけど、チケットの値段が3000円と、内容に対して格安過ぎる! 丁寧なチケットの発送や、駅からの案内、会場で感じた主催者たちの切実な思いに、貧者の一灯(わずかながらのカンパ)を灯してきました。このコンサートを創ってくれた、運営、出演してくれた人たちに感謝。