「10,000 SAMBA! 〜日伯移民100周年記念音楽フェスタ〜」

今日、9月15日は、横浜赤レンガパークでの野外フリーライブ「10,000 SAMBA! 〜日伯移民100周年記念音楽フェスタ〜」に行きます。上と下のフライヤ・デザインは、下山ワタル。 13時スタートで出演は、THE BOOM、ジルベルト・ジル、GANGA ZUMBA。無料!
THE BOOMの数年ぶりの復活は、今年5月21日、宮沢和史の弾き語りソロコンサートの会場で突然に告げられた。
ジルベルト・ジルは、今年夏までブラジルの文化大臣も務めた。でも、ブラジル音楽ファンなら知らない人はいないブラジル音楽史における超重要ミュージシャンだ。1960年代に音楽的にはビートルズサウンドに呼応し、当時のブラジルの軍事政権に反対(「禁止することを禁止する」という言葉が有名!)する「トロピカリズモ」という運動を、カエターノ・ヴェローゾらと始めた。
ブラジルの伝統的音楽を見直し、当時の欧米の最新ロックを取り入れ、自分たちのルーツを大事にしながらユニバーサルな音楽をやろうという運動。
1993年にはその「トロピカリズム」宣言から25年ぶりに、カエターノと共に『トロピカリズモ 2』というアルバムを発表。
THE BOOMの『TROPICALISM-0°』という96年のアルバムは、それに大きな影響を受けている。THE BOOMのアルバムのカタカナでのタイトル読みは「トロピカリズム」でありながら(帯のコピーは「氷点下の熱情主義」だった)、原題の「−0°」を読み替えれば「トロピカリズモ」になる! THE BOOMとジルベルト・ジルは、1999年、ドイツで共演
このとき、THE BOOMについてジルベルト・ジルはこんな発言をした。インタビューは、ポール・フィッシャー。
〈「いまさっきTHE BOOMのメンバーの何人かと会ったよ」とジルは話す。「THE BOOMはいまトロピカリスタなんだって。『そんな難しいプロジェクトをやってるのかい』って訊いたんだよ。『トロピカリスタは難しい。どうしてなんだい?』ってね。ボサノバならそんなに難しくない。ボサノバは音楽の形式のひとつだ。決まった要素があって、決まったスタイルで演奏するからね。サンバについても同じようなものだ。だけどトロピカリスタは音楽のスタイルじゃない。文化の流れを表すみたいなものだからね。これがトロピカリスタですっていう曲なんかないんだ。トロピカリスタは頭で描く投影なんだ。現代的であることへの指向、新しさの探求なんだ。『どういうわけでトロピカリスタなんだい』って訊くと、『ぼくらはいまあなたのようなんですよ。心がそれを求めているんです。』と言うじゃないか。僕は言ったよ。『それなら大丈夫だ!』ってね。蒔いた種が日の昇る国で育っているんだなって思って、とっても誇らしく感じたよ。」〉
GANGA ZUMBAは、先月末、ブラジルからの凱旋公演を観たばかり。楽しみ。
また、上記会場のすぐ近くにあるJICA横浜 海外移住資料館では、「宮沢和史とブラジル〜これまでの100年、これからの100年」展も行なわれている。