「すべりだい」東京ライヴ

昨夜は新宿ネイキッドロフトに「島風のうたVol.2」というイベントを観に行きました。
新宿は、「昭和大葬」以来の警官の数だった! 「サミット警戒」で、西武新宿駅横のコカコーラの自動販売機までもが販売を自粛してるのが謎だった。コインロッカーではなくてコーラの自動販売機だよ!
mauve presents「島風のうたVol.2」
ウクレレ&アコギの居眠り系ユニット「すべりだい」
(2nd Album「Morning JAM」発売記念 from沖縄)
★新垣優子(若手沖縄やんばる民謡唄者
★稲福剛治(八重山民謡の超新星)+しまだあや(お囃子)
沖縄の自称・居眠り系デュオ、「すべりだい」のセカンドアルバム『Morning JAM』発売記念イベント。
イベントのときはわりと目当てのミュージシャンの出演時間を見越して行きがちの僕が、この日は開演前から客席にスタンバイしてオリオンビールを飲んでた。他の出演者が沖縄民謡だろうから久しぶりに生で聴いてみたかったというのもあるし、歌とウクレレ担当のKEN子が自分でイベントのMCもするかもと思ったから(さすがにこの日は「ミュージシャン」に徹してた)。
最初に出た、稲福剛治さん(三線の弾き語り)は沖縄本島、南部の玉城にある「浜辺の茶屋」という海辺にある素晴らしいカフェのオーナーの息子らしいです。僕も数年前に行ったことあります。海の景色と、食べ物が素晴らしく美味しい(上の写真がそれ)。
こういう「ライヴ」の場所で歌うのは、初めてらしくて(すごいね、それも)最初は緊張してた。お囃子で入ったしまだあやさん(→ 参照「ryuQ」インタビュー)は母親が石垣島の人だそうです。「浜辺の茶屋」で1年間バイトしたことがあるそうです。でも、今日が初めての共演。
新垣優子さんは、本島北端の辺戸岬出身でいまは長崎の五島列島で保育士をやってるそうです。辺戸岬というと、DUTY FREE SHOPP.の「辺戸岬」を思い出してしまうよ。
保育士というだけあって、人前で喋る、歌うことにすごく慣れていて、三線の弾き語りでの故郷の民謡や、「教訓歌」や「童歌」がとても気持ちよかった。沖縄は、みんなが歌える民謡がたくさんあったり、歌い継がれていく「教訓歌」や「童歌」がたくさんあっていいなと思う。僕らには世代を繋ぐ音楽がないからね。この日の客席にはかなりお歳を召した方もいたけど、歌にあわせて少しだけど身体を揺らしていたのを見て、うらやましく思ったのです。
トリの「すべりだい」。
司会の人が、「すべりだいの持ち時間は今日は50分なんですけど、KEN子は60分ぐらいは喋るでしょう」と言ってたけど、さすがにそこまでは喋らなかったよ。でも、喋ることがいちいち面白い。kiiiiiiiのラジオトークカクマクシャカのフリースタイル・ラップもそうだと思うけど、話してるうちに空中から言葉のしっぽをつかまえて、それをセンテンスの後ろにうまくくっつけるから、面白くてしょうがない。
もちろん笑わせるだけじゃなくて、KEN子は自称「エコ番長」だから沖縄の基地問題とか戦争、辺野古、高江、泡瀬干潟(→ 参照「うかつバッジプロジェクト」)と、自然の破壊についてコンシャスなトークもする。「うかつに言ってけばいいじゃん」とKEN子は言うのです。
「うかつに言う」だけじゃなくて、KEN子がホントにすごいのは「妄想エンジン」が点火すると、その「うかつ」を行動に移すこと。そんな話があったからこそ、この日、一曲だけカバーに選んだマービン・ゲイの「what's going on」の中の「war is not the answer」というフレーズが響いたなあ。
セカンドアルバム『Morning JAM』の曲もとてもよかったよ。台風4号で沖縄が停電になったときにウクレレの練習にと作った曲、バンド時代の曲、客席の居眠り率=すべりだいの勝率という「居眠り系」メドレー。ギターのさとし君が娘の誕生を発表して、祝ったり(KEN子とさとし君は夫婦じゃありません)。「Morning JAM」では、万華鏡のことを歌ったフレーズに思わず笑ってしまった。去年の朝霧JAMのこと思い出して。あの万華鏡はどこになくしてしまったんだろう。でも、あのときの出会いがなかったらこの曲はできなかった、このアルバムのジャケットはなかった
アンコールはこの日の出演者全員で、スタンダード中のスタンダードな沖縄民謡「てぃんさぐぬ花」。さとし君のギターソロが歯で弾いたり、背中にギターをまわしたまま早弾きしたり、最後はウージのたいまつでギターを燃やして(← 少しウソも入ってます)イベントは終了。すごかった! 楽しかったです。また会おうね。