ミラクルなコンビ芸 山口洋&リクオ

山口洋リクオのライヴを観に、吉祥寺スタパに行ってきました。
このコンビのライヴを観るのは4月6日の埼玉県入間以来、2回目。あ、その直後の4月10日にモザイクの前座でもちょっとだけ観たんだ。
以下は、初めてこのふたりのライヴを観た4月6日の日記。
会場は埼玉県入間市「SO-SO」という僕にとっては初めての場所。入間駅からけやき並木を20分ほど歩くと、元・米軍ハウスの集まりが突如現れる。こだわりのパン屋や、カフェ、スタジオなどに使われてるそんなハウスの中のひとつが「SO-SO」という名のライヴハウス
「楽屋はどこでしょう?」とスタッフに尋ねると、隣りの家。だから楽屋ではなく、ではなく楽「家」。山口洋と、最近やはり湘南に越してきたというリクオさん(僕は初対面)と、僕が3月に挑戦した「湘南国際マラソン」の話をして、「ヒートウェイ陸上ヴ」にお誘いする(そのあとステージで、「マラソンは身体に悪い」と言われる)。で、こういう無駄話をしてる間に、この家が、その昔、西岡恭三さんが住んでた家だということを知る。おお! つまり、たぶん近所はHOSONO HOUSEな訳ですよ! しかし、いまは超かわいい猫が住んでいて、僕が首からかけていた、2年前の「天狗フェス」で買った高尾山の木笛でじゃれ遊んでいるのだ。
ライヴは、一曲目が佐野元春の「君を連れてゆく」でびっくりした。数日前、僕はカクマクシャカの新宿ライヴを観て、〈80年代の初め、佐野元春は自分が創刊した雑誌の最初の号に「BEAT THE SYSTEM」というメッセージを掲げた。システムを叩き壊せ。でも21世紀に入って今、必要なのは、新しいシステムを作ることだと思う。〉などと日記に偉そうに書いていたのだけど、この「君を連れてゆく」で、佐野さんはしっかりと「新しいルールを作るのさ」と歌ってるではないか! まさにシャカの掌の上で……。
あと、リクオさんの「パラダイス」という曲で(基本的にリクオさんがピアノを弾いて歌うときは、山口洋がギターで伴奏する。その逆のときももちろんあり、ほぼふたりはずっとステージにいる)、ジャニス・ジョプリンからブルース・リーゲンズブール明石家さんまたこ八郎まで、古今東西の名言が詰め込まれている曲、シリアスな言葉ばかりじゃなくて笑えるのも混じってるんだけど、「戦争に反対する唯一の手段は、各自の生活を美しくして、それに執着することである。」(吉田健一)というフレーズがあって、それはいいアイデアだなあと思いました。
そして、5月15日、ツアーを重ねてきての吉祥寺スターパインズカフェ。
  ストイックなロックンロール・ギタリストと、快感原則を選んだホンキートンクなピアニスト。異質な組み合わせに思うかもしれないけど、その「差異」をがっちりと「共通言語」が支えたコンビ芸です。すんばらしく楽しい、ロックンロールなミラクル。 創造性と、偶発性と、知恵のあるユーモアと、それらを可能にする技術と、あとちょっとした(もしかしたら致命的かもしれないけど)ダメっぷり……そういうのが全部ある。
リクオさんが日本語で歌った「ジェラスガイ」を聴いて、ジョン・レノンの凄さって、「POWER TO THE PEOPLE」(名義はジョンじゃなかったっけ? 調べるのめんどくさい)なんて歌もあるのに、こういう情けない男の歌もあるとこだなあと思ったです。
以下は、僕が山口洋リクオというミラクルメン、ふたりにしたインタビューです。
http://d.hatena.ne.jp/theRising/20080501/1209608682