FUNKISTはファンタジスタなり

FUNKISTSHIBUYA-AX
み・ご・と・に・満員だった! メジャーなレコード会社と契約してないバンドが初のAX、ワンマンで満員。ファンとして心から嬉しい。
たぶん4ヶ月ぶりぐらいに見る西郷どんは、ジギー・マーリィの弟とか、サッカーのオランダ代表の(名前忘れた)人みたいになってた。ドレッド? エクステンション? 会場最後尾だったからどっちかわからなかったけど。でも、その「遠さ」より、やっぱりAXのステージの「広さ」が、絶対FUNKISTのスケールに合う。今までのライヴ、狭いところでやり過ぎ。それと、自分でMCで言ってたけど「これまでのライヴは(20分とか30分しか出演時間がないイベント)、ボリ過ぎだった!」なんて言ってたけど、やっぱりフルサイズでできるワンマンライヴはいい(とはいっても今日のライヴでも当日券で3500円しかしないんだよ)。
スクリーンに映し出されたメンバーの紹介映像(戦隊ドラマ仕立て)から始まって、もちろん歌あり(そりゃ、これがメインだ)、寸劇あり、ダンサーあり、着ぐるみあり、ダサいボックス・ステップあり(「ダサい」とは西郷どんが自分で言ってた。けど、ほんとにダサい)、即興三題歌詞は今夜は「友だち」「アゴ(顎)」「平和」で、花火も手品も毎度のごとく、MC笑えて、歌は熱く。「光」は中野区の三線奏者、八田恭子さんをゲストに、全楽器とボーカル、すべてアンプラグド、生の音、声だけでAXに響かせた。
熱い。その熱さに、平和や愛や夢や希望を歌うことに、異を唱えるじゃなくて、「違」を感じる人もいるかもしれない。でも、やっぱり僕は、「(what's so funny) 'bout peace, love and understanding」だと思う。
去年、テレビの「世界おもしろ映像集」みたいな番組で、南アフリカの子どもたちが走る列車の屋根の上に乗り、高電圧の架線(?)を避けながら「スリルを味わう」映像が紹介されていた。「危険ですので真似しないでください」というテロップ流しながら。事故死する子どもがたくさん出ています、と言いながらも、テレビでの扱いは「世界おもしろ映像」だ。僕はそっちの神経のほうに圧倒的に「違」を感じる。
FUNKISTは数年前に南アフリカをツアーした。ヴォーカルの染谷西郷くんの母親が南アフリカ人だから、彼の故郷だ。走る列車の屋根の上に乗り架線を避ける子どもたちの状況を、彼らFUNKISTは知っている。「バナナトレイン」という曲では、彼の故郷を走る列車の中で見た光景が描かれている。格差。貧困を生むシステムに自分たちも加担していることを知ったら、それはもうまったく「世界おもしろ映像」ではない。でも、西郷くんはその光景を見て、歌で世界を変えたいと思った。だから今夜も「中国に、チベットに、アフガニスタンに、南アフリカに届くように」と言った。またまたいとうせいこうの言葉を繰り返してしまうけど、〈我々もまた彼らであり、彼らもまた我々である〉。
FUNKISTの魅力はもう50回ぐらい書いてるような気がするので、今日はこれでもう終わり。
FUNKISTファンタジスタなり。
最後の最後に、「今年7月にメジャー・デビューします」という報告があってびっくりした!