「宮沢和史の世界」最終日

21時過ぎ、世田谷文学館を出たら外は雨が降っていて驚いた。駅までの暗い道を雨に濡れながら早足で歩いた。春から今日まで100回以上、芦花公園に通った。それも今日で一区切り。京王線の乗り継ぎに慣れなくて何度もこの駅を通り過ぎてしまった。ひどいときには小田急線に乗ってしまい(芦花公園駅京王線だから京王新宿駅から乗る)、それも特急だったので神奈川県まで運ばれてしまったこともある。
準備のための数ヶ月はとても短かく感じた。9月30日に始まってから2ヶ月の会期もやはり短く感じた。最終日の今日はとてもたくさんの人が会場を訪れていた。駆け込みで最終日にようやく観に来られたという人もいただろうけど、それよりもリピーターが多く、僕らは会場で「名残惜しさ」を共有していた。この場所がずっとあればいいのに。これから5年後、10年後にどこかで宮沢和史のファンと出会っても、お互いがこの宮沢和史の世界」展を観に来ていた人だったらそれだけで盛り上がれそうな気がする。「極東ラジオ」のリスナーとも僕はきっとそういうシンパシーを感じるんだろうけど。
閉館時間の18時になってもみんな立ち去り難いようだった。今日の閉館はこの場所の終わりを意味する。もとよりコンサートと違って出演者の挨拶なんかがあって照明がついてBGMが流れてってわけではない。いつもの閉館時間を報せるアナウンスが流れただけだからだ。ぐずぐずしていたい。でも、それでも人はいなくなる。僕は誰もいなくなった会場を自分のために撮影した。ゆっくりと自分の考えたルートで会場内を歩いた。展示されているほとんどのものに自分の思い出が重なっていく。開場時間中には、入り口のスクリーンに映し出されているビデオクリップもじっくりと観た。「砂の岬」のビデオクリップを観るのは久しぶりだった。撮影したのはブラジルのチラデンチス。もう10年も前のことだけど思い出すことはたくさんある。
19時30分頃、「本人」がやってきた。彼が住んでいる世田谷のある町の商店街で買ってきたという大福餅やみたらし団子を手土産に。文学館のスタッフとライブラリー・スペースの、アンケートや「言の葉」を書く机を囲んで静かな打ち上げをした。僕らが大福餅や団子を食べ、お茶を飲んでる間に、「本人」はひとり会場をゆっくりとまわった。最後に、用意された黒板に「言葉」を書き込んで(きっと後日、文学館に飾られると思う)、この展覧会は終了した。3日後にはGANGA ZUMBAの新しいアルバムが発売になり、4日後にはツアーが始まります。
上の2冊は今日、世田谷文学館で購入した本。宮沢和史推薦の本やCDも販売していました。