「民 ROCK FES. ’06」主催者インタビュー

この夏、青森での野外フェス「夏の魔物」を主催したのが19歳の少年だったというニュースが話題を呼びましたが(→SPACE SHOWER TV.COM NEWS)、大阪のサラリーマンも負けちゃいない。8月29日、30日と梅田Banana Hallで行なわれる「民 Rock Fes. '06」を主催する「民やん」は27歳のサラリーマン。イベンターでもなくミュージシャンでもない単なる(でも度を超えた)ライヴ好きの彼がどうしてイベントを主催しようとしたのか、その特徴、見どころを聞いてみたくてインタビューしてみました。
■ 「民 ROCK FES. '06」
大阪・梅田Banana Hall
8月29日〜なにわ Rock stage〜 
CHABA (Band Ver.)/ ラブハンドルズストレンジヌードカルト
8月30日〜琉球 Soul stage〜
CHABA (Acoustic Ver.) /ノーズウォーターズ / EAST WOMAN / 椿〜tsubaki〜 / 大底吟子
開場/開演=18時/19時
前売り 2000円/当日 2500円/2日通し券 3500円(おまけ付き)
*2日通し券はバナナホールorメール予約で。 チケットはローソン、ぴあ、バナナホールにて発売!
問=Banana Hall 06-6361-6821
□ 民ロックフェス主催のきっかけを教えてください。
きっかけは、バナナホールのブッキング担当の方の「民やん、イベントやってみたらエエやん」という何気ない一言からなんです。私は普段はサラリーマンをしているんですよ。毎日朝からスーツを着て会社に行ってるんです。ただ、普通のサラリーマンとちょっと違うのはライヴが好きだってことですね。ライヴが好きで好きで好き過ぎて年間150回ぐらいライヴに行ってるんです(笑)。そんなライヴバカっぷりが功を奏してか、声を掛けて頂いたんだと思うんです。最初はイベンターでもない私にイベントが出来るだろうかと正直迷った部分もありましたけど、いつか自分でイベントを主催したいと言う気持ちはずっと持ち続けていたので、今回のお話を受けることにしました。ま、最終的にやると決めたのは呑んでるときの勢いなんですけどね(笑)。 何に対してもですが、この“勢い”ってのが大事だと思っているので、その勢いに身を任せました。
□ 初のイベント主催ということで、準備の上で予想と違って大変な部分や、ここが他のイベントと違うよという特徴を教えてください。
特に大変だったのはアーティストのブッキングですね。いわゆるメジャーのアーティストを呼びたいけれど、どのようにコンタクトを取ったらいいのか、呼びたいはいいが交通費は、ギャラは、などわからないことだらけでした。そして、もう一つブッキングに関して頭を悩ませたのは、日程等の調整です。出て欲しいアーティストの出演可能な日、決定しているライヴの日、対バンのメンツの構成、それらをトータルで考えてのブッキング。全てが思い描いた通りに行くことはありえないので、大変苦労しましたし、アーティストサイドにもご無理を言いました。
日程の関係で残念ながら出演がまとまらなかったアーティストもいました。当初はもっと多くのアーティストを呼んで3 daysにしようと意気込んでたのですが、さすがに難しかったですね(笑)。
民ロックフェスの特徴を一言で表すとするなら「連動性」と「一貫性」だと思います。「なにわ」と「琉球」という各日コンセプトを打ち出したのもそこが狙い目です。アーティスト同士の繋がり、初日と2日目の繋がり。お客さんにイベントの最初から最後までを楽しんでもらえるようなスタイルを作り上げられたと思っています。
□ 出演者の魅力を紹介してください。初日8月29日、なにわROCK STAGE。
まずストレンジヌードカルトですが、彼らの最大の魅力はなんと言っても”歌心”です。彼らの歌は優しく、温かく、切なく、甘酸っぱい言葉で満ちています。そして、その言葉をスリーピース・バンドとは思えないほど洗練されたアレンジと心に残るメロディーで奏でてくれます。個人的に今一番好きなバンドですね。
次に、CHABAの魅力ですが、一言で表すとするならその唯一無二の世界観でしょう。ギター、三線フィドルという特殊な3つの楽器が重なり合い描かれる音世界と古典的な言葉と独創的な言葉を綴り並べた詩世界。音と言葉の世界が合わさり生まれる圧倒的な奥行きと深さを持つCHABAサウンド。初日のこの日はサポートにBass、Drums、Keyが加わりその世界観をさらに増幅させてくれるはずです。
最後に、ラブハンドルズですが、彼らの魅力は聞く人の心を惹きつける歌詞とポップセンス溢れる楽曲です。若林君のまっすぐで透き通った歌声と溝下君のブルージーに歪むギターが創り出す楽曲は、聞く人の心に響き、胸を打ち、ほろっと切なくさせてくれます。 初日は素敵な言葉を綴る“うたもの”バンドがそろいました。彼らの放つ言葉の世界を感じてみてください。
□ 二日目の8月30日、琉球SOUL STAGEは?
椿〜tsubaki〜は、出演者の中で一番の若手なのですが、三線とギターで奏でる楽曲はどこか懐かしくあり、温かい風を運んできてくれるはずです。
初日に続いて出演のCHABAはこの2日目はアコースティック編成。3つの弦楽器が生み出すアンサンブルとアコースティックでより際立つ歌声と言葉の世界に注目してくだい。 今回唯一ソロでの出演者である大底吟子。彼女は三線と唄だけで勝負する沖縄民謡の唄者でして、魅力はもちろんその歌声。彼女の歌っている時間だけはバナナホールが確実に沖縄になるはずです。
打って変わってEAST WOMANはパワーロックで且つポップな正統派バンド。沖縄人らしいほのぼのとしたMCと激しく熱いライブとのギャップが魅力です。 最後の紹介となるノーズウォーターズの魅力はズバリ“ライヴ”です。一度ライヴを見てください。彼らの歌を演奏をパフォーマンスを体感してください。きっとあなたの心と共鳴するものがあるはずです。
2日目は各バンドの魅力はもちろんなのですが、イベント通しての魅力にも注目してください。奄美をルーツに持つ椿〜tsubaki〜、沖縄本島出身者を含むCHABA、沖縄本島出身のEAST WOMAN、石垣島出身の大底吟子とノーズウォーターズ。5者5様、それぞれがそれぞれのスタイルで琉球魂を表現してくれるはずです。