宮良多鶴子コンサート「日本を想う春」

先月インタビューした宮良多鶴子さんのコンサートを観に、目白の明日館に行ってきました。
宮良さんのことを知ったのは、「琉球新報」のこちらの記事。
「ふるさとの風届けたい」宮良さんボリビアで公演
〈(前略)オキナワ移住地でのコンサートでは、同移住地の三線愛好会の演奏で幕開けした。中村侑史日ボ協会会長のあいさつの後、宮良さんは聴衆のすぐ近くに設けられた仮設の舞台の上で歌い始めた。衣装には青色の紅型が用いられ、広いホールにマイク無しで響き渡る歌声が聴衆の声をとらえた。(中略)「えんどうの花」や「とぅばらーま」「芭蕉布」などを披露。曲の合間にはウチナーグチのユンタク(おしゃべり)もあり、一世の人たちが懐かしそうに耳を傾けていた。宮良さんは全11曲を歌い、アンコールでは「島唄」など2曲を披露し、コンサートは幕を閉じた。〉(「琉球新報」2006年1月28日/比嘉裕通信員) 
宮良さんが昨年12月にコンサートをした南米ボリビアサンタクルス、コロニア・オキナワ、サンファン移住地の三カ所。すべて僕も2003年に旅した地であります。それにそこで「島唄」が歌われた! だから僕はあの記事を読んですぐにインタビューを申し込んだのです。

今日はそのボリビアの報告を兼ねたコンサート。
宮良さんはソプラノ歌手でクラシックで、僕はそういうコンサートに恥ずかしながら全然行ったことがなくて、先日のインタビューでも、「クラシックはコンサートでマイクを使わない」ということを知らずに驚いたくらいなのですが、楽しいトーク(沖縄の言葉では「ゆんたく」というそうです)で僕のようなクラシック門外漢もリラックスして音楽を楽しむことができました。
ちなみに普通のクラシック歌手はステージで話をしないそうです。水も飲まないそうです。水を飲む姿を観客に見せないのはクラシックでは歌い手は「お姫様」であって、そういうところを見せるのは「はしたない」とされてるからだそうです。今日知りました……。
さらに自分の無知をさらけ出すようですが、オペラの「蝶々夫人」というのは長崎を舞台にしてるんですね。ボリビアにはコロニア・オキナワのほかにサンファンという移住地があって、そちらは九州、特に長崎出身者が多いのですが(僕もこのサンファンで日系人が経営するレストラン「ユートピア」に入って、メニューにあった長崎ちゃんぽんを食べました。むちゃくちゃ美味しく感じた)、宮良さんはサンファンでのライヴのときには、この「蝶々夫人」をはじめ、九州を舞台にした歌をいくつも歌ったそうです。
今夜はそのボリビア公演でのエピソードをたくさん聞くことができました。とてもいいコンサートでした。