オキナワ

早朝5時30分。到着したサンタクルスの空港はまさに田舎。初めてのボリビアなのに、そこにはREOスピードワゴンや、「プリティウーマン」など80年代のアメリカンポップスが流れていた。預けたリュックのサイドポケットの目覚まし時計が壊れていた。そんなところに入れておいた僕が悪い。しかしフィルム2本がなくなっていたのは誰のせい?
ボリビアに入国したものの、空港の両替所が早朝で開いてないため(国際便が到着するんだから開けていてほしい……)、インフォメーションでお願いして10ドルだけ両替してもらい、空港内のカフェでエスプレッソ9Bとパン6Bを注文。メニューに「Ranu」と書いてあったそのパンの正体は、トマト、ハム、チーズを挟んだトーストだった。空港に残ったのは僕だけ。
6時30分、30ドルを両替(1ドル=7.48B)。さあ、ボリビアを楽しもう!
地球の歩き方」によると、このサンタクルスは1651年、パラグアイから植民したスペイン人により建設されたそうだ。ボリビアの首都ラパスからサンタクルスへは飛行機で1時間。ただしバスでは20〜23時間かかる。そんな地理的要因から最近までは「交通が不便であり、孤立都市のイメージが強かった」とある。そして、僕がここに来たかった理由も書いてある。「第二次大戦前後のゴム景気にあおられ、数多くの日本人が夢を託して南米にやってきた。ここボリビアにも数多くの移民が流れ込み、彼らはアンデス山脈を越え、少しでも過ごしやすい気候のサンタクルス近郊に移り住み、サンファンやコロニア・オキナワを拓いた」。
ガイドブックで見当を付けたHOTEL COLONIALまでタクシーで8ドル。30分ほど寝て、シャワーを浴び、バスルームで洗濯をして、行動開始。ホテルのスタッフ(近所のおばさんのような親近感!)に市内の地図をもらい、朝食もいただく。20ドルの宿。ちょっと湿った感じで暗いけど、問題はない。
地図を見ながら、おばさんに「オキナワ」への行き方を訊いていたら、そのまますぐに行きたくなってしまった。行くのだ!
ホテルを出て、プラサ24の近くのネットカフェで情報収集(特になし)。コレクティーボ(乗り合いタクシー)でモンテーロへ約1時間のドライブ。そこで乗り換え、「オキナワ」までさらに1時間。このあたりで僕はハイテンションになっていた。日本からこれだけ遠く離れた日系移民の居住地「オキナワ」で、どんな話が聞けるのかワクワクしてくる。(※この「オキナワ」、そして翌日の「サンファン」訪問については後日、別なところに記事を書いた)。コレクティーボは6B+6B。安い! 「オキナワ」で食べたのは、Pollo Con Arrozで5B。これも安い! 他にフィルムと水(10B)を購入。
夕方、サンタクルス市内に戻り、日系の旅行代理店「島ツアーズ」を訪問。サンタクルスからペルーのクスコに飛ぶ便がないか、思いついたので質問してみる。クスコへの往復は250ドルするそうだ。火曜土曜のみ。もう一軒、「チョービ観光」という店でも相談。その後、「スーパー・オキナワ」(こんな店名のスーパーが南米のサンタクルス市にはあるのです)でジュース6B。
ホテルに戻り少し休憩して、夕飯は「島ツアーズ」で教えてもらった「KENの店」という日系の食堂へ。焼き肉定食と生ビール。店には旅行者用ノートが置いてあった。こういう旅人向けノートというのはインターネット時代の今でもあるんだなあと感慨深い。