高尾山エクスプレス

塩と海苔だけのおにぎりと、冷蔵庫にあった大根の漬け物で即席のお弁当を作って、高尾に出かけました。高尾行き特快にわずかのところで乗り遅れ、ホリデー快速奥多摩まで行ってしまおうかとも迷ったけど、地図も持っていないので、高尾へ。登り口も迷うところだけど、高尾駅から小仏終点までバスに乗りました。本日は2台運行。小仏峠から城山、高尾山を目指そう。
去年の12月以来の山歩き。歩き出すとすぐ身体があたたまり、上着をリュックの中にしまい、上半身はTシャツとフリースだけです。
小仏峠では、真っ白に雪をかぶった富士山が見えました。城山の茶店で、なめこ汁(250円。ここは味噌汁ではなく、すまし汁に豆腐となめこが入っている)を買い、お弁当を食べました。目の前は富士山です。贅沢な昼食。
城山から一丁平、もみじ台への道は、泥になっている部分が多くて、靴が泥のかんじきを履いた(履いたことないけど)ようになってしまいました。やはり高尾山から城山に向かう人のほうが多い。
もみじ台の茶店を通るときは、いつものような空想をしてしまう。突然、僕がタイムスリップしてしまう。1960年代がいいだろうか。1966年3月、高尾山もみじ台の茶店の前で、僕は目が覚める。服やリュックなどの装備、僕が身につけていたものも一緒にタイムスリップしている。トレランシューズも、オムニテックのジャケットもそのまま。お金はあるけどこの時代に通用しない。ポケットの中に入れていたiPhoneはなぜかインターネットに繋がるが通話とメールはできない。でも充電器はない。さあ、僕はどうするだろうか。
という妄想。昨日、坂口恭平の「ゼロから始める都市型狩猟採集生活」という本を読んだだけ、前回、妄想したときよりも有利な気がする。先日、読んだ千松伸也「ぼくは猟師になった」は携帯しておくべきだった。でも、山を下りればなんとかなりそうな気がする。iPhoneの存在もでかい。……こんなふうに、ひとりでの山歩きに妄想はつきない。
魔法瓶に入れてきたコーヒーは、高尾山山頂で飲み干した。ほんとはビールを飲もうと思ったけど、まだ12時にもなっていない時間から飲むのはどうかと考え直し、稲荷山コースで下山。数時間の楽しいタイムスリップだった。