デモ!

「もっと速く歩け」とか「デモは前に進むものだろうが」とか、何度警官たちに言われたって(フィジカルなディレクション付きで)、できるだけ、ありったけ、ここで起きている(それは僕らが創り出した)光景を見ておきたかった。
数日前、大学の教室で「予示的政治」という言葉を聞いたけど、それがここにあるなんて断言はできないけど、あたらしい世界が萌芽している、そこに居合わせてるというワクワクするような気持ちがあった。見慣れた街が違うものに見えた。ここにいて、よかった!
だから僕は列(「列」ではなく、強いて言えば動くゾーンでしたね)から外れたところで起こったちょっとした騒ぎを覗きに行ったり、先頭のドラム・ブロックのリズムにあわせたり、後ろのほうの音楽的なコールにレスポンスする。
クラウンアーミー、すげえ!!! 初めて、生で観た。彼らの警官たちへのアクションに、僕は『解体屋外伝』(いとうせいこう)のあるシーンを連想した。武器を持って襲撃してきたスクワッターたちに、「解体屋」が言葉だけで相手の暴力をかわすところ。
クラウンアーミーは言葉を使わず、そのユーモラスなパフォーマンスで規制者たちの滑稽さを顕在化させて、規範をずらしてしまう。
先日の大学の講義でもうひとつ僕の心に残ったのは、「YOU ARE NOT POWERLESS」ということ。僕はその言葉にさらに、RCサクセション(昔、クリスマスの夜は武道館のライヴが恒例だったなー)の「大人だろ 勇気を出せよ」というフレーズを足し、沖縄の友だちの顔を思い浮かべて、デモに参加しました。