LSD

昨日の午前中は近所の公園でLSDをしました。
僕の場合、一周440メートルのトラックを50周するのですが、ランナー仲間にそれを言うとたいてい驚かれます。同じところをぐるぐるまわることに、「飽きないの?」とよく訊かれます。彼らは、電車で家から30キロとか40キロ離れた場所まで行って、そこから走って帰ってくる練習をするのだそうです。つまり、飽きて途中でやめないために「退路を断つ」ことから始める、と。まあ、いざというときは途中から電車に乗って帰るということもできるのですが。
長距離の練習をする人はそういう「ワンウェイ方式」や、海岸沿いとか河川敷を折り返しで走る人が多いようです。皇居ランナーでも、一周5キロもあるので、途中でやめようと思うと最大2.5キロは戻らなくてはなりません。
僕の場合は、一周がわずか440メートルのトラックなので、やめようと思えばすぐやめられます。近所の公園だから、コインロッカーに荷物を預けることも、銭湯を探しておく必要もありません。言うなれば、僕はまず退路を作っておくタイプです。でも、こうやって退路を作っておくと、意外にも自分で事前に決めた目標(昨日だと50周)を走れてしまいます。退路なしだったら、きっと走り出すこともできないでしょう。
公園のトラックなので、いろんな人が走ったり、歩いたりしています。トラックの内側は芝生になっていて家族連れや子どもたちが、サッカーやキャッチボールやフリスビーや凧揚げなどをやっています。夜になると、漫才や芝居の練習をしている人たちもいます。富士山が見えるポイントもあるし、走ることには疲れても、光景に飽きることは特にありません。
もうひとつ、近所で、自転車も車も通らず、ほぼ一方通行のトラックを走る利点は、音楽を聴きながら走ってもそれほど危なくはないということでしょう。公園でのLSDでは、iPhoneを片手に持ち(奇数周では右手、偶数周では左手に持ち換え、周回数を数えています)、ヘッドフォンで音楽を聴きながら、「LSD」(Long Slow Distance)という言葉通りゆっくりと走ります。
昨日はマイケル・ジャクソンの「Don’t Stop 'Til You Get Enough」(いいタイトル!)から始まり、最後の50周目は、オザケンの「流星ビバップ」(それも、インストだったので、あのかけ声で励まされ)、ゴール後のクールダウンに歩き出したときの曲は、「いちょう並木のセレナーデ」(ライヴ版?)の拍手、という神選曲でした。
クリスマスイヴにいい映像。警戒心とか猜疑心を持つことを強いられる、寛容性のない社会で、警笛ではなく、人を思わず笑顔にさせるチャイムを響かせる「Improv Everywhere」。こういうのいいね!