「CARROT MOB」という買い物運動

朝9時に高尾駅北口に集合。明日のトレイルレースのためにコースをチェック。パウチしてもらった地図を首からつる下げて歩いたので、ようやく地形と地名が合致してきました。それにしてもスタートから2キロの坂から5キロ地点、関場峠まではきっついです。明日は冷えるようだけど、晴れるといいな。
ところで、話は全然かわりますが、前に紹介した、「買うことで変える」消費者運動、CARROT MOB(リンク先で日本語の説明が読めます)というのがおもしろいです。
ついでに、去年読んだ本(とても分厚い)の感想メモ。
「エコ罪びと」の告白 原題通りの邦題ですが、「エコ」という言葉に抵抗や猜疑心を持ってる人にはマイナス効果かも。サブタイトルの「私が買ったモノはどこから来たのか?」という通り、本書はイギリスのジャーナリストが、コーヒーやエビ、チョコレート、インゲン豆などの食べ物、Tシャツや靴下、ジーンズなどの衣料品、パソコン、ビールの缶、携帯電話に使われるレアメタルなどがどこでどうやって生産、運ばれてくるのかを、丹念に、しつこく調査した旅のレポート(だから、写真もあればもっといいのに)。
また、自分が出したゴミや古着の行方なども追っている。その旅はインド、ウズベキスタン南アフリカカメルーンバングラデシュ、オーストラリア、アラスカなど世界各地。エコ原理主義者ではなく、徹底的にジャーナリストの視点で。
読んでるうちにかなり悲観的になるんだけど(世界の状況としては確かにそうなんだろうけど救いがないというか)、亡くなった息子の携帯電話の再利用先をタンザニアまで追ってくところあたりから、少し光が見えてくる。
以下、引用。〈アメリカの建築家フランク・ロイド・ライトは、「ブロードエイカー・シティー」の名のもとに、郊外でのんびり自然を楽しんで暮らしながら、格子のように張り巡らせた高速道路で町なかに通勤する都市像を考え出した。(中略)ロンドン大学ピーター・ホールは、フランク・ロイド・ライト世代は、「自動車という神を崇拝し、そのフットワークのよさと、それによってもたらされる自由を理想化した」と語る。ホールは都市計画の第一人者であり、かつてはやはり自動車を崇拝していた。当時、都市計画者たちは、人々がやがて、田舎での近所づきあいを望まなくなり、自動車で町なかを自由に飛び回ることを好むようになるだろう、と考えていたという。(中略)だが、こうした自動車社会への買いかぶりは、自由などもたらさなかった。慢性的な渋滞、郊外の荒廃、自動車をもたない人びとが住むスラム街、犯罪の増加と社会的混乱という、悪夢のような寒々とした都市光景が広がった。それは「ブロードエイカー・シティー」どころか、「時計じかけのオレンジ」だった。