「陣馬山トレイル」

ゼッケンや計測チップ、コース図が入った封筒をテーブルの上に置き忘れたまま家を出てしまいました! 気づいたのはすでに中央線に乗ったあとだったので、会場の受付で、「一式、全部忘れました」と申告して、再登録受けましたよ。二千円のムダな出費……。まったく自分の頭の中にNortonかけて欠陥箇所を探し出して修復してもらいたい。
でもトラブルはそれぐらいで、陣馬山を走る23.54キロのコースを充分に楽しみました。峠道から見る紅葉の山々がとっても綺麗だった!
9月の「上野原トレイル」がきつすぎたので、スタート時の気温10度だというのに(寒かった)、警戒して水をたくさん持ちました。ハイドレーションに約2リットル。エネルギージェルをひとつと、クリームパンもリュックに入れました。携帯電話は持たない。短パンに長袖のシャツ、トレランシューズ。首にタオル。
参加者は約1000人(追記:1700人だったそうです)。やっぱりタイツ着用のランナーがほとんど。靴の中に砂利が入り込まないようにスパッツを付けてる人も少なくなかったです。この季節だからそんなに水が必要ないと考えたのか(正解だけど)、ウエストバッグで、水はボトル2本という人もかなりいました(追記:他に見かけたのが、手のひらがボトルホルダーになっているもの)。
会場をスタートしてずっと登りが続く。歩かずになんとか流れについていく。トレイルに入り、追い越しができない道幅になって、ますます立ち止まれなくなったし。「上野原」ではこういうときに、無理な体勢になってでも道を譲ってたなあ、って思い出しました。登りはもちろんつらいけど、そのまま走ってると、「もうだめだー」と思う頃にちょうど自然渋滞で一休みできる。明王峠まで1.4キロという標識を見て、「ああ、知ってる道だ」という安心感も。その先、陣馬山山頂までは先日歩いたコースだ。早くたどり着け、明王峠。
明王峠を越え、陣馬山まで登りきると、山頂にいたスタッフが「ここで7キロです」とランナーたちに声をかけていた。うーん、もうちょっと走ったような気がしてたのに。ここまでで1時間。でも、ここからは下り。
和田分岐から一の尾根を駆け下りる。まさに駆けてる。すごいスピード。着地するたびにそのまま転げ落ちないように両足の親指で踏ん張る。着地予想地点を目で追いきれない。岩を蹴らないように、滑る木の根っこに乗らないように。
藤野に下りる。「落合」、ここ先日も通った気がする。栃谷林道に出た途端、走りがきつくなった。下り坂の舗装路、しかもつづら折りをブレーキかけながら走るのは僕は苦手。へっぴり腰で、ブレーキかけながら。
こんどは登り。舗装路は奈良子峠まで続く。だらだらとした登り道はきつく、歩き始める。汗が流れていく。ハイドレーションから水を飲む。そんなに空腹でもないけど歩きながらクリームパンを食べる。背中のリュックから水や食べ物が消えていってその分、軽くなる。でも自分の胃の中に入っていけば同じか。
視界が開けていて、紅葉の山々の景色がとてもいい。傾斜がゆるくなると走る。あのガードレールまではとか、前を走るあのランナーに追いつくまでは、なんて自分の中で決めながら。14キロ地点で2時間5分。なんか「上野原」よりずいぶん早い気がする。
二回目の給水ポイントで「あと2.2キロです」という声。えっ、それだけしか残ってないの! しかも下りだと。飛ばせば3時間切るかも。なんて、それは無理で、最後の1キロは両足のふくらはぎがつりそうで歩いたけど、ゴールタイムは3時間8分でした。制限時間の4時間をめぐる攻防戦を予期していたので、ずいぶん早かった印象です。ゴール後は、おいしいすいとんをいただきました。
栃谷林道(舗装部分)はかなり歩いたけど(全行程を走るのは無理)、流れは良かったなあ。へこたれなかった。へばらなかった。なんにせよ、コース中、多幸感があった! 紅葉、落ち葉、陽の光、影、風、水の音……こんな景色の中を走るなんて自分ひとりではなかなかできないと思いました。
次はつくばマラソン。久々のロード。今シーズン初のフルマラソン。楽しく走れますように。