「ひかり祭り」に行ってきました!

去年に続いて、今年も「ひかり祭り」に行ってきました。神奈川県藤野にある旧・牧里小学校という廃校の校庭、校舎、体育館を会場に開かれるフェス。藤野は相模湖駅の隣の駅。今年5月に、陣馬山から歩いてたどり着いた、山のふもとの里。ゆずの産地として有名だそうです。
上の写真は会場入り口。ここに到着するまで去年は最寄りのJR藤野駅からバスを2時間近く待ったけど、今年は臨時バスの増発で待ち時間ゼロでした(午前中、JR上野原のあたりで倒木で電車が止まってたそうで、 もっと早い時間に到着を計画していた人たちは大変だったみたいです)。
校門から入ったところすぐの受付には高尾山の虔十の会の人たちがいる。2年前に「ドリームキャッチャー」を一緒に作らせてもらってから一方的に仲間のつもりです。みんなこのお祭りのために一所懸命働いてるのに、こちらは遊びに来てるだけで悪いなーと思いながら。3500円で前夜祭含めて3日間有効なリストバンドを手首にしてもらう。地元の人や子どもは無料。20代や高齢者はディスカウント。天気は快晴。太陽が強すぎて、まぶしい。当然、暑い。
校庭にはメインステージが組まれている。その校庭をL字型に囲むようにテントやワゴン車を利用した食事の出店が並ぶ。受付に近いところから、ドリンクバー、インドカレーの店、地元の「明日の牧郷をつくる会」の産直野菜や焼き鳥のテント(子どもがかき氷も売ってる)、タイ料理の車(上の写真)、地元のレストラン、手打ちパスタの店、「旬菜プレート」などご飯とおかずの一皿盛りがウリのお店、ドネルケバブ、ピタやスコーン、コーヒーのお店。以上かな。食器はリユース制。
今年は、校庭横(体育館と逆のほうの丘)に新たに「里山マーケット」というテント出店サイトが出来ていた。ここには整体のテントや、コーヒー屋さんなどがあった。
廃校になった木造の校舎もそのまま会場になっている。一階の玄関でみんな靴(サンダルが圧倒的)をそのまま脱いで、裸足で木の床、階段を歩いていく。階段の踊り場には校庭を見下ろす形でカウンターと椅子があって、下を眺めるのにちょうどいい。二階は教室ふたつを使って、バースペースとラウンジになっている。
体育館もまた「ひかり祭り」のもうひとつのステージだ。ただ、ここは観客の寝るスペースも兼ねている。僕もリュックを置き、銀マットを広げて自分のスペースを確保。体育館はアコースティックなライヴ演奏や、ヒップホップが中心らしい。
江ノ島から自転車で片道60キロを走ってきた河原崎さんが寝ていたので、起こして、とりあえずビールで乾杯する。朝の4時過ぎに出て、6時間かかって(勾配がかなりあるし、この暑い日中を走ってきたのだ)到着して、すぐさま体力回復のために寝ていたそうだ。
上の写真が新エリアの「里山マーケット」。竹を切ってキャンドルスタンドにしているのがここのデコレーション。出店エリア(アクセサリーや服、キャンドルなど)は他に体育館の裏にもある
僕の到着は午後2時過ぎのいちばん暑い盛りで、校庭は陽を遮る場所はなく、ラビラビの演奏を聴いたあとは(夜中に聴けば絶対踊れるんだけど、あの太陽の下では無理!)、河原崎さんと歩いて30分ほどの距離にある温泉に出かけることにしました。去年の「ひかり祭り」では温泉に行くことを思いつかなかった。
学校を出て、ほろ酔いで夏の午後の山道を歩いていると(坂を登る)、暑さですぐにくらくらしてくる。時折、ステンシルで「みんなねているよ」と書かれた標識を見かける。バイクや車でこの峠道を夜中に走る奴らがいるのかなあ。崖沿いの道の下は、木々に覆われているがさらにその下は川だ。ところどころにある家はみんな農家のようだ。農具置き場が道からも覗けるのだけど、その充実ぶりが半端ない。
暑さでへばりながら歩いてるつもりでも僕らの歩く速度は少しは速いのか、先行していた数組のグループに追いつき、追い越した。みんなフェスっぽい格好してるし(ひとり、ビキニ姿の女の子がいた!)、なんといってもリストバンドで一目瞭然だ。こういうときの何とも言えない連帯感はいいね。
温泉の相場はよく知らないので入湯料850円って高いなーと思ったけど、大正解でした。気持ちよかった。お湯から上がったあとは、マッサージ機まで試して、最新のマッサージ機ってここまで進化してるのかと驚いたり。温泉から会場への帰りは、シャトルバスがあるというので、リストバンドの人たちと一緒に待ってたら、ハイエースを運転してきたのは虔十の会の永友さんだった! 後部の荷台スペースにゲリラのように僕ら全員が乗り込む。オリンパスの二眼カメラで車内の様子を撮ってた人がいたけど、その写真見たいなー。夕陽が差し込んでいて、雰囲気とてもよかったはず。
藤野の気温は都内より2、3度は低い。ちょうどいちばん暑い時間帯を温泉でパスできたので、夕暮れの山の空気が気持ちいい。お腹もすいたので、タイカレー(500円)を食べる。ご飯の上にキャベツとニンジンのサラダがのってる。
山の向こうに陽が沈んでいくのを見る。生ビール2杯目。気持ちいい時間。
メインアクト、GOCOOのステージの前に、虔十の会の坂田さんのお話があった。坂田さんは先月アフリカのケニアに旅したばかり。この数日間のこの「ひかり祭り」の設営やらで声ががらがらになっていて苦しそう。この前は6月に高尾で会ったんだ。坂田さんは今年10月に名古屋で開催される、「生物多様性」をテーマにした国際会議COP10に向けて「じぶん条約」というアクションを始めている。
生物多様性」、その知ってるようでよく知らない言葉について、坂田さんは平易な言葉で説明してくれる。いま、地球上では何分間かに1種(酔ってたので何分か数字を忘れてしまいました)の生き物が絶滅してるそうです。でもそんなにたくさんの生き物がいるってことなら、絶滅してもたいしたことないんじゃないの? 弱い種が亡くなっていまの進化があるわけだから、なんて考えがちだけど(僕もこういう野外フェスでは虫除けスプレー使うし、蝶やミツバチやミミズの自然界における働きはわかるけど、他の虫は少なくとも僕の目の前には現れないでほしいと思ってるし)、坂田さんはこの「ひかり祭り」会場にいる人たちに置き換えて説明する。入場してくれる人たちはひとりとして同じ人はいない。たくさんいるんだから一種類ぐらい絶滅しても大丈夫というのは、ひとりぐらい死んでもとか、この会場にいる全員ぐらいいなくなっても(人類全体には)問題ないというのと同じというような話。生き物は全部つながっているという話を続けていく。高尾山のトンネル工事や、旅先ケニアのスラムの話、などなど。
GOCOOは、和な太鼓集団。人力でトランス状態を徐々に作っていく。ハイライトは、盆踊り風の振り付け(「まぶしいな、まぶしいな、なんだかとってもまぶしいな」とかの歌)があった曲。パーカッシヴでおバカな盆踊。すごーく盛り上がった。去年のUAにしても、出演者たちがこの藤野という場所をとても大切に思ってることも伝わってくるのです。 GOCOOの去年の「ひかり祭り」の映像があったので以下に紹介。
ひかり祭りの特徴は、地元の参加者が多いことで、フェスには珍しい、おばちゃんおじちゃんもいるし、子どもたちも犬も校庭を走り回ってる。船のへさきのような形に底をすり減らしたサンダルを履いてる3姉妹がとってもかわいかった(3人ともサンダルがすり減ってる!)。上の2人は犬を連れていて、下の5歳ぐらいの女の子は姉たちの後を追っかけている。前髪がワカメちゃんみたいだった。
GOCOOのライヴが21時過ぎに終わって、校庭のメインステージから音は消えても、賑わいは消えない。夜中に学校にいるという不思議な高揚感。僕は「旅するパン屋」のピタ・サンドイッチ(600円)を食べ、さらにビールを飲む。
校舎の中にも入ってみる。校訓は大事だなー。教室は居心地のいいバーになっている。
体育館のステージでは、読書がかろうじてできるぐらいのピンスポット一本に照らされてピアノの演奏中だった。客席は暗く、1/3ぐらいはもう寝てる。エアマットの人や寝袋の人もいれば、布を敷いてそのまま横たわってる人たちもいる。
僕は体育館を出る。校庭の暗がりのほうに椅子を移動させて、座り、夜空を眺めてた。星を目でなぞって、星座をつくってみる。たぶんあれが、サソリ座、なんて具合に。話し声、校舎から音楽、蝉の声、星空。気持ちいい時間だった。何回、この日記に「気持ちいい」と書いてることやら。
今年は校庭横(体育館と逆のほうの丘)の「里山マーケット」が夜中のセッションの場となってた。アコーディオン、サクソフォーン、タンバリン、カホーン、縦笛など、いろんな楽器と、ファイヤーダンス! で、それを囲む数十人の観客が「ホーミー」(倍音唱法)で加わるというアコースティックなセッションで、空は星。目の前は炎、周りは音楽のグルーヴという感じで楽しかったです。