『ミツバチの羽音と地球の回転』を観てきた

光化学スモッグのアナウンスが町に流れるとき、最初に霧笛のような警報が流れるんだけど、それがスピルバーグの映画『宇宙戦争』でトライポッドが動くときに出る音と似てる。ってなことを今日もまた思いました。あの映画、かなり好き。
今日は高円寺の座・高円寺という劇場に『ミツバチの羽音と地球の回転』上映会に行ってきました。『六ヶ所村ラプソディー』の鎌仲ひとみ監督の最新作。原発建設計画で揺れる山口県祝島と、持続可能な社会に動き出したスウェーデンを取材したドキュメンタリー映画です。
ミツバチの羽音と地球の回転
http://888earth.net/index.html
去年7月に撮影途中の報告会的映像「ぶんぶん通信no.2」を観ていたけど、最終的に取材ビデオは350時間分、それをこの映画では2時間15分にまとめあげたそうで、実際に僕が今日観た映像もほとんど初めて目にするものでした。
山口県祝島という島があって、そこでは住民が28年間も原発反対の運動をしていて(毎週月曜夜にデモが行なわれていて、その通算回数は1000回を越えてる。もちろん推進派の住民もいるけど、とにかく、この原発建設の計画のせいで小さな島の中にももう28年間も「スジがひかれて」しまっている)、原発ができるとその地域、海域、そしてそこに暮らす人たちににどんな影響があるかということを、僕は行かずに知ることができた。
「辺野古」の問題を知ったときと同じことが今の僕に起こってるわけで、そういうときはできるだけ素早く、そのまんま、「こんなことを知ったんだー」って誰かに伝えるほうがいい気がしています。映画のタイトルとは違う意味合いだけど、ミツバチみたいに飛び回って何かの在処(ありか)を知らせてくれる人にはいつも感謝を。そして僕もそれを少しでも引き継ぎたい。だから上の予告編で興味を持った人は、どこかの上映会を探して観に行ってください。音楽はShing02です。
上映会後の会場トークショーには監督の他に、祝島の61歳の漁師(映画にも出ている。とても61歳には見えない若さ。Tシャツの袖から見える二の腕の筋肉が凄かった)や、カヤックや座り込みで工事の阻止行動をしている19歳の若者が来ていて、話が聞けた。実は原発とか持続可能なエネルギーとかの問題もとても重要だけど、僕はこの映画に出てくる彼ら祝島の人たちの、「ここで、こうやって、自分は生きてゆく」という力強い、根(ね)のはり方に強く惹かれたのです。