犬のように

最近の僕は働いてます。犬のように。
僕がときどき預かる犬は、働くどころか散歩すら数十メートルしかしないで、部屋の中にいるときは僕を尾行したり偵察したり寝てるだけなのだけど、「like a dog」と「like a log」という形容を同じ歌で覚えた僕としては、やはりここは、犬のように働いてる、と書きたい。ハード・デイズ・ナイトなんです。労働のあとでも、一日に区切をつけるために走る夜もあります。ワーキング・クラス・ランナー。単なる調子っぱずれな「ドーピング・ランナー」よりひとつランクがあがった!
朝、通勤ラッシュより早い時間に東京のはずれまで電車を乗り継ぎ、バスに乗り換え、県境を越えます。光ってるものは、信号と自動販売機だけという倉庫街で僕は降ります。
18時に労働が終わり、30分近くまたバスに揺られて、朝と同じ、東京のはずれの地下鉄の駅に着く。そこで僕を待ち受けるのは、南米を旅した帰りにロスで飛行機を乗り換え、日本への帰国便の機内に足を踏み入れ機内を見渡したときと同じような「違和」感。うわ、ほこりまみれなのは、おれだけ!
今日は帰りの電車で、『土曜の夜と日曜の朝』と『午後の最後の芝生』という小説を、頭の中で比べて勝手に納得してみたりしました。
犬のような、と言えば、『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』も大好きな映画。でも悲しい映画なのでお勧めはしません。