DJ TUK TUK CAFE インタビュー
―――沖縄とPeace Music Festa!へ関わるようになったきっかけを教えてください。
TUK TUK CAFE はじめて沖縄に行ったのは1991年2月でした。ある小冊子の取材で2泊3日。『観光コースでない沖縄』という本だけ持って、戦跡や基地を観てみようと思って行ったノープランの旅でした。泊まるところだって那覇空港に着いてから、空港のインフォメーションで「いちばん安い宿を紹介してください」と訊いて、3人で1室1泊3500円の民宿に泊まり、本島南部の戦跡から北部の海洋博跡地までレンタカーを使わずにバスを乗り継ぎ、まわりました。第一外科壕跡とか、糸数壕とか。戦争の悲惨さや、米軍基地がすぐ隣りにあるという現実に、ショックを受けました。
次に行ったのがその夏、オムニバス映画『パイナップル・ツアーズ』のロケを見学に、伊是名島に。そこから沖縄の知り合いが徐々に増えて、沖縄への興味は持続し、発展しすぎて南米ボリビアの「オキナワ」まで旅しました。
2006年、代々木公園でのClap Hands!!という沖縄の音楽イベントにDJとして参加させてもらいました。Peace Music Festa!への関わりは、2007年1月、東京でのプレイベントを観に行ったことからです。翌月の辺野古ビーチでの本番では、バンド転換時の音楽係（DJ）とリユース食器運搬係になりました。こういう機会がないと東京在住の僕が辺野古に行くことは難しいと思うし、何より素晴らしいフェスだったので、参加できて心から嬉しかったです。2008年の上野水上音楽堂でのPeace Music Festa!にも、音楽係（DJ）に任命されました。先日代官山でのプレイベントでもDJを担当しました。
―――沖縄の音楽はどうして好きになったんですか？
TUK TUK CAFE 最初に出会ったのは坂本龍一さんのアルバム『BEAUTY』（89年）の中の「安里屋ユンタ」と「てぃんさぐぬ花」です。その数年後、沖縄民謡を集中的に聴く時期があって、僕は三線と沖縄音階がとても好きだということに気づきました。でも、民謡そのものよりも、それを発展させていく人たちの音楽にさらに強い興味を持ったんです。具体的にいうと、93年に宜野湾で開催された「ニライカナイ祭」に出演した、ソウル・フラワー・ユニオン、ゼルダ、ボ・ガンボス、THE BOOM、喜納昌吉＆チャンプルーズ。中でもTHE BOOMが93年に発表した「いいあんべえ」は、沖縄音階にジャマイカのラガ、バリ島のケチャがミクスチャーされた、僕にとっては衝撃の作品で、さらにそれがバングラ・ビートのバリー・サグーによってリミックスされた。そこで、自分にとっていちばん踊れる音楽は、沖縄の三線とインドの打楽器タブラがのったパーカッシヴなものと気づいたのです。タルヴィン・シンの「OK」（98年）、宮沢和史の「ちむぐり唄者」（01年）が僕にとって完璧なダンス・アンセムです。
その後、DUTY FREE SHOPP.の『カーミヌクー』というアルバムに出会ってなかったら、辺野古、高江、泡瀬干潟など現在進行形の沖縄の問題に僕はいまほどの関心を持ってなかったかもしれないです。
―――DJを始めたきっかけは？
TUK TUK CAFE 90年代中盤からクラブに通うようになりました。クラブでしかバングラ・ビートやそれ以降の在英アジア人たちの新しい音楽が聴けなかったからです。クラブで遊ぶようになってそれまで知らなかった音楽に次々に出会うようになりました。その一方で、日本語のロックだけのパーティー「Rock.jp」で、知ってる曲を歌いながら踊るというのも楽しく、それで僕もDJを始めました。
といってもテンポもリズムも繋いでません。繋げません。選曲は、広義の沖縄の曲が中心ですが、その分野ではRYUKYU DISCOや琉球アンダーグラウンドという本物がいるので、インチキDJの僕は、テンポやリズムではなく「意味」で曲を選んで並べています。たぶんこれはラジオ番組のディレクターとしてトークのBGMに、話の内容にあった曲を瞬時に選んでいた経験からだと思います。ラジオ番組のディレクター的なDJ。先日の代官山での選曲のように、新良幸人さん出演の前に、白百合クラブ（幸人さんの父親がメンバーのひとり）の曲をかけるとか、たぶん僕以外のDJはやらないでしょうね……。あの日、幸人さんが「うみ・そら・さんごのいいつたえ」という高橋幸宏さんの曲を演奏したのは嬉しかったです。これは椎名誠さんが幸人さんの故郷、石垣島の白保で撮影した映画（91年）のタイトル曲で、公開当時、椎名さんにインタビューさせてもらったことを、あの瞬間に思い出しました。幸人さんが伝えたいことが音楽を通じて届きました。
TUK TUK CAFE はじめて沖縄に行ったのは1991年2月でした。ある小冊子の取材で2泊3日。『観光コースでない沖縄』という本だけ持って、戦跡や基地を観てみようと思って行ったノープランの旅でした。泊まるところだって那覇空港に着いてから、空港のインフォメーションで「いちばん安い宿を紹介してください」と訊いて、3人で1室1泊3500円の民宿に泊まり、本島南部の戦跡から北部の海洋博跡地までレンタカーを使わずにバスを乗り継ぎ、まわりました。第一外科壕跡とか、糸数壕とか。戦争の悲惨さや、米軍基地がすぐ隣りにあるという現実に、ショックを受けました。
次に行ったのがその夏、オムニバス映画『パイナップル・ツアーズ』のロケを見学に、伊是名島に。そこから沖縄の知り合いが徐々に増えて、沖縄への興味は持続し、発展しすぎて南米ボリビアの「オキナワ」まで旅しました。
2006年、代々木公園でのClap Hands!!という沖縄の音楽イベントにDJとして参加させてもらいました。Peace Music Festa!への関わりは、2007年1月、東京でのプレイベントを観に行ったことからです。翌月の辺野古ビーチでの本番では、バンド転換時の音楽係（DJ）とリユース食器運搬係になりました。こういう機会がないと東京在住の僕が辺野古に行くことは難しいと思うし、何より素晴らしいフェスだったので、参加できて心から嬉しかったです。2008年の上野水上音楽堂でのPeace Music Festa!にも、音楽係（DJ）に任命されました。先日代官山でのプレイベントでもDJを担当しました。
―――沖縄の音楽はどうして好きになったんですか？
TUK TUK CAFE 最初に出会ったのは坂本龍一さんのアルバム『BEAUTY』（89年）の中の「安里屋ユンタ」と「てぃんさぐぬ花」です。その数年後、沖縄民謡を集中的に聴く時期があって、僕は三線と沖縄音階がとても好きだということに気づきました。でも、民謡そのものよりも、それを発展させていく人たちの音楽にさらに強い興味を持ったんです。具体的にいうと、93年に宜野湾で開催された「ニライカナイ祭」に出演した、ソウル・フラワー・ユニオン、ゼルダ、ボ・ガンボス、THE BOOM、喜納昌吉＆チャンプルーズ。中でもTHE BOOMが93年に発表した「いいあんべえ」は、沖縄音階にジャマイカのラガ、バリ島のケチャがミクスチャーされた、僕にとっては衝撃の作品で、さらにそれがバングラ・ビートのバリー・サグーによってリミックスされた。そこで、自分にとっていちばん踊れる音楽は、沖縄の三線とインドの打楽器タブラがのったパーカッシヴなものと気づいたのです。タルヴィン・シンの「OK」（98年）、宮沢和史の「ちむぐり唄者」（01年）が僕にとって完璧なダンス・アンセムです。
その後、DUTY FREE SHOPP.の『カーミヌクー』というアルバムに出会ってなかったら、辺野古、高江、泡瀬干潟など現在進行形の沖縄の問題に僕はいまほどの関心を持ってなかったかもしれないです。
―――DJを始めたきっかけは？
TUK TUK CAFE 90年代中盤からクラブに通うようになりました。クラブでしかバングラ・ビートやそれ以降の在英アジア人たちの新しい音楽が聴けなかったからです。クラブで遊ぶようになってそれまで知らなかった音楽に次々に出会うようになりました。その一方で、日本語のロックだけのパーティー「Rock.jp」で、知ってる曲を歌いながら踊るというのも楽しく、それで僕もDJを始めました。
といってもテンポもリズムも繋いでません。繋げません。選曲は、広義の沖縄の曲が中心ですが、その分野ではRYUKYU DISCOや琉球アンダーグラウンドという本物がいるので、インチキDJの僕は、テンポやリズムではなく「意味」で曲を選んで並べています。たぶんこれはラジオ番組のディレクターとしてトークのBGMに、話の内容にあった曲を瞬時に選んでいた経験からだと思います。ラジオ番組のディレクター的なDJ。先日の代官山での選曲のように、新良幸人さん出演の前に、白百合クラブ（幸人さんの父親がメンバーのひとり）の曲をかけるとか、たぶん僕以外のDJはやらないでしょうね……。あの日、幸人さんが「うみ・そら・さんごのいいつたえ」という高橋幸宏さんの曲を演奏したのは嬉しかったです。これは椎名誠さんが幸人さんの故郷、石垣島の白保で撮影した映画（91年）のタイトル曲で、公開当時、椎名さんにインタビューさせてもらったことを、あの瞬間に思い出しました。幸人さんが伝えたいことが音楽を通じて届きました。
Peace Music Festa!
9月21日 沖縄県宜野湾海浜公園野外劇場
http://peace-music.org/
9月11日〜13日は沖縄各地でプレイベントが開かれます。
http://okinawaforum.org/disagreeblog/2009/09/91113_pmf.html
