もうひとつのクリスマスは、いつでも、とっくに可能だ

高円寺のサウンドデモに参加するのは、今年のメーデーを最初にして、7月の「のびのびイルコモンズ」に続いて3回目。出発地点の高円寺の公園には、参加者の倍以上の警官、公安の方々が公園を完璧にひっそりと取り囲んでいて明らかにあなたたちのほうが不穏。一方、公園内では「ビール無料です!」との声が飛んだり、『ギリシャ(高円寺)騒乱』や『パンクロッカー労動組合』(「労働」の「動」という字は素で間違えたそうだ)というまぬけなプラカードが用意されたり。
そうこうするうちにサウンドカー到着。荷台のサウンドシステムは紅白の幌で覆われ、車体の横には『スクープ! クリスマスはウソだった!』という文字が大きな布にデカデカと書かれている。「本当のクリスマスは6月中旬、梅雨の真ん中だったことが先日、□□大学の教授30人によって発表されました」と、メガホンがものものしくアナウンスする。そうだったのか! 沖縄泡瀬干潟の埋め立てとか高尾山のトンネル工事とか静岡空港の建設とか余計なことばっかりに税金使いやがって、今度は「クリスマスだから、金を使え」とばかりなムードを大企業が先導して扇動しやがって。こっちはそんな金ないって。『贈りものは手作りで』というプラカードが今回のデモの中にあったけど、お金をかけなくたってクリスマスはできる。配られたビール(100円カンパしたけど)や、公園内で手売りされてた「ベジ食堂」の手作りサンドイッチ(ベトナムで食べたサンドイッチを思い出した! 美味な400円)で気持ちは充分にあったかい。
サウンドカーを先頭にデモは出発。なぜか一曲目は大貫妙子さんのチャーミングな「メトロポリタン美術館」。カズーを吹きながらとか、太鼓叩きながらとか、踊りながらとか、人それぞれさまざまなスタイルでパレードは高円寺を進んでいく。青梅街道ではパンク中心。僕はクラッシュで盛り上がるのさ。環七から左折してからの最後のDJは、高円寺メーデーでの最後の曲「ONE MORE TIME」以来の続き! UNDERWORLDで僕らのビートは連帯し、公園到着までの最後の角を曲がったところでかかったブルーハーツ「トレイン・トレイン」で、路上は騒乱の場と化す。すごい。
アテネで点火された抵抗の火は、ヨーロッパ、ニューヨーク、そして高円寺にリレーされ、繋がっていく。