自由の森学園に行ってきました

埼玉県飯能の自由の森学園に行ってきました。
□ やまけんの出張食い倒れ日記
日本最高峰の学食は、僕の母校にある。埼玉県飯能市自由の森学園の素晴らしい食への取り組みをみていただきたい。
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2006/08/post_867.html
という、先日紹介した学食の記事が最大の誘因だったのですが、自由の森学園のサイトをチェックしたら、ちょうどタイミングよく今週の水曜、木曜が同高の音楽祭ということで、じゃあ生徒でも父兄でもない僕でも学食を利用できるだろうと思ったのです。
なんて、それだけではなく先日の日記にも書いたけど、この学校は永積タカシの出身高校であり、先日カクマクシャカと同じステージに立ってラップした15歳のKUU君も現役の自由の森学園(中学)の生徒。 曽我大穂SAKEROCK自由の森学園出身ということを聞いていたのと、自由の森学園のサイトを見て、すごく興味を持ったのです。
10月には関野吉晴さんの講演もあったそうです。中学一年生が稲作したお米「自森こまち」が売られています。冬の公開講座のトピックもおもしろそうです。
僕の住んでるところから西武線を乗り継ぎ70分で飯能駅に着きます。バスで15分の距離ということだけど、バスは一時間に1〜2本しかないので(自由の森学園の登下校時にはスクールバスが出てる)、タクシーで学校まで。運転手さんに道中、自由の森学園のことを訊いてみる。
前職が塾の先生で地元在住で長男も自由の森学園への進学を考えたことがあるという運転手さんはさすがによく知っています。制服もなくて自由で(運転手さんの息子は結局、所沢のやはり制服がない高校に進学して、その後アメリカの大学に行ったそうです。ちなみに制服がキライなのは父親=運転手さんに似たそうです)、ユニークな教育方針の学校とのこと。昨日、今日が「音楽祭」であることは地元の人はまあ知ってて、今日はクラスごとの発表があるから、昨日(有志によるステージ)よりも人が多いだろうとのこと。
駅前から離れ、名栗川の上流、浄水場の近くに学校はあった。まわりは畑が多いです。
自由の森学園の入り口。ここから坂を登っていく。周りは生徒が作ったビオトープ(→Wikipedia)。
学校にいちばん近い売店はここでした。
学校全景が撮れないぐらい敷地が広い。これは(たぶん)正面入り口。
入ってすぐ目に付いたのがドキュメンタリー映画「六ヶ所村ラプソディー」の案内ブース。来年1月31日に同校で上映会があるのでその告知とチケット販売。高校生以下は無料。上映を企画したのは同校の教員と、中学3年生のKUU君。僕は10月に東中野でこの映画を観ていたし、KUU君の先日のステージを観ていたので、ブースにいたこの企画者と少しそのことを話す。「学食に行くなら早く行ったほうがいいですよ」というアドバイスに従い、まだ何にも観ていないのに食堂へ急ぐ。
学食前の「音楽祭」告知看板。この写真では見えないけど看板の上には「ログ前で13時より有志ゲリラ発表」というチラシも貼ってあった。「ログ」とは食堂の横にあったログハウス。食堂は12時30分のオープンまでに30人ぐらいは並んでた。
食券制。「日替わり定食」「伝統食」「きつねうどん」「ポークカレー」などのメニュー。食へのこだわりはやはりやまけんblogによるレポートをご覧ください。
僕は「伝統食」(500円)を選びました。胚芽米、とろろ、筑前煮、塩鮭、かき玉汁の定食です。しみじみ美味しかった。
食堂の壁にも大きな絵がかかっていて「音楽祭」を告知しています。
食堂にはドアだけでなく窓を使って出入りしている生徒多し。 食堂の裏の方には畑があった。
これは中学1年生が作った無農薬のお米「自森こまち」の告知。1キロで600円。
校舎の裏にあった木工作業場。椅子や机を作る授業があるようです。
石窯もある! 僕は高校生たちがこの石窯で焼いたパン(400円)を買いました。
高校生には「製本」の授業もあるそうです。以下は製本室(!)の前に貼ってあった案内の文章。「多くの生徒は、いや大人も、本を自分の手で作るという事はとてもできないとあいまいに思っているはずだ。ヨーロッパでは、専門学校や、技術大学に講座があり、伝統的な製本職人や、美術工芸の一分野としての製本家や保存修復の専門家を養成している。高校の時間数の中では、本格的な製本の入門にたどりつくことすら難しいが、1年かけてなんとか自分の手で、ノートや手帳や絵本を作り、さらに、書物の仕立て直しという本来の仕事に進むことができるようになる」
製本室の上のスペースで行なわれていたギター演奏。椅子は明らかに手作り。食堂から数百メートル離れた棟にあるのに、ここまでカレーや定食を運んで食べながら観ている生徒もいた。
廊下には教育基本法についてのアピールからサークル募集まで様々な張り紙。
「やっさいもっさい」も踊る。
音楽祭のメイン会場である講堂に並ぶ父兄たち。
並ぶのいやなので食堂にいったん戻る。パンやクッキーもこだわりの素材や手作り。このパンの隣で売っていたチョコレートはフェアトレードのものだった。自動販売機の缶コーヒーは見慣れないメーカーのものだったけど(熱海の会社)、豆が有機栽培だった。
講堂のステージ。デコレーションは今年の音楽祭のタイトル「百鬼夜行」をイメージ。司会者たちのブースもドクロを模して作られていた。フロアの前方は生徒、後部が父兄席。照明スタッフもいる(生徒)。
プログラムが貼られた講堂の壁。
前日は有志によるステージ。この日はクラスごとの合唱。午後のトップは教員たちの合唱で中島みゆきの「誕生」。次のH3-5組(高校3年5組)はブルーハーツの「休日」。プログラムをチェックすると、H1-2組はbonobos「Thank you for the music」、H2-4組はOhana(先輩!)の「Shake your hands」でした。僕はそこまで観ずに途中で退室。
僕も中学、高校生だったらこの学校に通いたかった。音楽祭というお祭りの日ということもあるだろうけど(だからこそか)生徒たちが自分たちで行動しているというのがとても楽しそうだった。そういう空気はたった数時間でもすぐわかる。
「冬の公開講座」など、一般を対象にした授業や、今年はハナレグミも出演した「自由の森アートフェスティバル」というのもあるようなので、また行ってみようと思います。