『イカとクジラ』

タイトルがヘンだったので『イカとクジラ』という映画を新宿で観てきました。
アメリカの家族映画です。舞台は1980年代のブルックリン。政治とかアクションとかスリラーとかホラーといった要素はゼロ。徹底して家族4人の話。
自分は高尚だと思いこんでる売れない作家で大学の教授をやってる父親と、売れっ子作家になった妻。でもこの妻が手当たり次第に浮気してる。高校生の息子は父親のシニカルな口調を真似しているが中味がない。読んでないカフカの作品を父親の言葉をそのまま使って批評する。学校の発表会でピンクフロイドの曲を自作だと言って弾き語りで発表し、ばれる。中学生の弟は……と内容を紹介しようと思ったけど、
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20051130
町山智浩さんのblogにきちんと紹介、解説されてた。さすが本職。
この映画が監督(ノア・バウムバックという人)が「高校時代に両親が離婚した体験を描いた自伝的映画」ということまで知ることができました。
つまんない作品ではないけど、こういった小さな映画が東京で上映されることにアメリカの強さなのか、映画というメディアの強さを思うなあ。
町山さんの映画の本はたぶん全部読んでます。
あと、この映画の前に『カポーティ』という映画の予告編をやっていて、その映画が観たくてたまらなくなりました。トルーマン・カポーティが『冷血』を書いたときの映画らしい。僕は高校時代にこの『冷血』に衝撃を受けたのです。予告編で観たカポーティ役のフィリップ・シーモア・ホフマンという人がすごそう。
冷血 (新潮文庫)

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