仲井戸麗市+宮沢和史「GOOD DAY」

午後、世田谷文学館へ。
秋の企画展「宮沢和史の世界」に今日からまた新たな展示物が加わりました。
加藤登紀子さんの書による「島唄」歌詞。登紀子さんは今月初旬に文学館を訪れてくれ、「島唄」の歌詞を「書」いてくれることを快諾。本日からの展示となったわけです。ムットーニさんの作品に続く宮沢和史の歌詞とのコラボレーション。フジロックではカクマクシャカと共演で、今回は宮沢和史と。登紀子さんは1993年に「島唄」をカバーしています(レコーディングにはTHE BOOMも参加)。当時の、「島唄」への想いが綴られた新聞記事も一緒に展示しています。
他に変わったのが、「極東ラジオ」の試聴コーナー。「LIBRARY」の手前、これまでは「からたち野道」が試聴できたスペースが「極東ラジオ」のコーナーになりました。11月5日までは仲井戸麗市さんゲストの第222回(2001年)と、友部正人さんゲストの第342回(2003年)が聴けます。その後は毎週火曜に更新予定。
あと、「LIBRARY」内のDVDがヨーロッパツアー(2005年)のドキュメンタリー映像から、中米ホンジュラスでオンエアされた同国のテレビ局制作、宮沢和史 MIYAZAWA-SICKホンジュラス公演ドキュメンタリー番組に変わりました。ホンジュラスでオンエアされたのそのままだから字幕なしです。ホンジュラスでのとんでもない盛り上がりをたっぷり見ることできます。
一枚のレコードから

一枚のレコードから

今日は「宮沢和史の世界」関連イベント、仲井戸麗市さんの朗読&コンサート「GOOD DAY」が一階の文学サロンで15時から行なわれました。
このシリーズは「宮沢和史の世界」会期中、宮沢が敬愛する詩人、ミュージシャンが文学館でイベントを行なうというもの。すでに詩人・ねじめ正一さんの講演「宮沢和史の詞と詩」が10月7日にあり、CHABO(仲井戸麗市)さんは第二弾。先週土曜には「土曜ジュニア文学館」という別枠でフェリス・バトゥーキによるワークショップもありました。
「秋の一日、のんびりしていってください」という言葉と、「GOOD DAY」という曲(アウトロで「Here Comes The Sun」が弾かれた!)から始まったCHABOさんのコンサート。
「さっき宮沢君から、CHABOさん、あの歌は歌わないんですか?って言われたんだよね」というリクエストに応えた「スケッチNY '98」(飛行機嫌いなCHABOさんが初めて「ジョン・レノンボブ・ディランの街」に行った1998年のニューヨークをスケッチした歌)など数曲を歌ったあとに、宮沢和史登場。ふたりとも黒ずくめです。
CHABOさんがあまりにも自然体で「さっき宮沢君から〜」なんて言うから、誰もが「そりゃ出るだろうなあ」と心の中で予想しただろうけど、でもその演出無用なところがCHABOさんの魅力です。「ギターがあれば、ロックがあれば年の差なんて」(CHABOさん)というふたりの出会い、エピソードが語られていきます。「(宮沢は)きちんとしたヤツに見えるでしょ。リハーサルのときにじゃあこの曲とこの曲をやりましょう、みたいな。でも意外と用意してないんだよ(笑)。何も決めてない(笑)」(CHABOさん)なんて感じ。
ふたりの共演はこれが4回目。幸運にも僕はCHABOさんと宮沢和史とのこれまでの共演をすべて観ているのです。
最初は2001年7月の札幌
http://www.five-d.co.jp/tuku2/diary/01-7-02.html
次が2002年2月の鎌倉
http://www.five-d.co.jp/tuku2/diary/02-02-04.html
三度目が2004年5月の渋谷
http://www.five-d.co.jp/boom/15th/sp/
今日、ふたりで最初に演奏したのはTHE BOOMの「いつもと違う場所で」
二階の展示「宮沢和史の世界」を先に観てくれたCHABOさんが、「この歌、大きくフィーチャーされてたし、宮沢君にとっても大事な歌でしょ」と言ってくれる。CHABOさんは宮沢の「文字」にも興味があったそうです。展示されてるノートからは創作の際の葛藤もうかがえる。
「予想通り、丁寧なヤツだね」とCHABOさん。
「え、汚いですよ」
「汚い(笑)。正直汚いけど丁寧さを感じるよ」
4年前の鎌倉のときのように宮沢が朗読、CHABOさんがギターで共演。宮沢の詩集『未完詩』から「キーはある」「喘息」。
トークはお互いの「暗さ」自慢に。「でも言葉に向かうヤツって基本的にキラキラ明るくはないよね」(CHABOさん)「言葉に向かって地団駄踏みながら解決する言葉を探しています」(宮沢)。
ふたたびの共演。「切符」はブルースになった。
お互いの詩を朗読し合うコーナー。じゃんけんで先攻後攻を決める。まず宮沢和史が選び、読み始めたのは「風景」という長い詩。CHABOさんは後ろを向いて聴いている。宮沢が読み終わり拍手を贈るCHABOさん。「めちゃくちゃ緊張した。すごい体験。先にやるんだったなあ(笑)」。CHABOさんが選んだのは「風になりたい」の続編的な決意表明、「風になった」。CHABOさんの朗読、声の強弱、イントネーション、リズムで歌詞の中の登場人物が生き生きと動き出す。風景に色彩が加わる。僕はCHABOさんが朗読の最中、ここぞというときに右手で作るガッツポーズが好きだ。CHABOさんの朗読もまたロックンロールなのです。
宮沢が次に読んだのは「唄」という詩。対してCHABOさんは「ハルとナツのころ」。朗読のあとは歌。THE BOOMの「子供のように」、「この広い世界で」をふたりで。
ふたたびひとりになったステージでCHABOさんはレインメーカー(長い筒状のディジュリドゥみたいな楽器で振ると雨のような音がする)を使って「ひととき」を読み、アンコールで「ホーボーズ・ララバイ」という曲だったと思います。記憶不確か。「もうすぐ僕らの好きな音楽の季節だ」というフレーズは何という曲だったんだろう。
最後、「顔だけ見せてよー」と呼ばれて登場した宮沢が、「CHABOさんと会うたびにファンになり、さらに憧れの存在になります」と話し、CHABOさんは「そのうち俺の年を抜いてよ」と笑わせてコンサートは終了。
「GOOD DAY」だった! ずっと好きでいてよかったと思いました。
はーぴー日記がすごくよかったのでリンクします。
http://blog.goo.ne.jp/worldsendsupernova/e/206ed104a1c12d7fc236144cb9abe808