Scritti Politty / 新グレートジャーニー

世田谷某所で18時まで用事があって、その後急いで代々木野音のフリーイベントへ。FUNKISTのライヴに、「GO NOW」とアンコールの「月下のラスタカラー」「白い世界」の3曲だけまにあった。来月はこのステージでClap Hands!!です。
この代々木野音に急ぐ間に電車の中、携帯で見たマイミクtagさんの日記で、今夜クアトロでScritti Polittyのライヴがあることを知ってしまい悶絶してしまう。『キューピッド&サイケ85』は80年代に死ぬほど聴いたアルバム。観たい! 当日券は7000円という情報がはいる。迷ったときは「GO NOW」で行くのだ。クアトロに向かう最中に、「いま、ウッド・ビーズ!」というメールが入り、早足をさらに加速する。30分遅れで到着したクアトロ。ドアを開けた瞬間、数センチ前に人の背中。満員。よく見ると客層の年齢が高い! 僕の隣に立っていた男性はテクノカットだった。
残念ながら僕がクアトロに入ってから『キューピッド&サイケ85』の曲はなかった(と思う。「パーフェクト・ウェイ」も「スモール・トーク」も「ヒプノタイズ」もなかったはず)。でも、変わってなかったグリーンの声が聴けただけでよかったのだ。
ライヴ中に思い出したんだけど、僕はレゲエをボブ・マーリィとかジャマイカのレコードからではなく、最初、クラッシュやScritti Polittyから知ったんだ。Scritti PolittyはNEW WAVEのバンドだけど、「ウッド・ビーズ」がアレサ・フランクリンに捧げられているように黒人音楽への憧憬があって、でもそれはNEW WAVEなバンドならではの出し方で、エレクトロニクス・ポップ(って言うの?)なんだけどリズム面白くて、パーカッションが入っていて……。あ、あともうひとつライヴ中に思ったのは、高野寛が日本ではなくロンドンでグリーンと同じ年に生まれてたら、もしかしたらScritti Polittyみたいな音楽作ってたんじゃないかなあって。
昨日の日記のさらに続きでメキシコのことを書こうと思っていたのだけど、また今度にします。メキシコは去年が3回目でした。2回目の旅(2003年)のイントロだけはこちらに。
我々は何処に行くのか―グレートジャーニー全記録〈2〉寄道編 「エセコミ38号」宮沢和史と対談した探検家・関野吉晴さんの新たなプロジェクト「新グレートジャーニー 日本人の来た道」が8月12日(土)21時〜23時09分、フジテレビ系でオンエアになります。
南米最南端からアフリカまで人類発祥のルートを遡った「グレートジャーニー」のあと、なぜこのプロジェクトを始めたのか。関野さんのサイトには以下のような言葉が記されています。
 ここ33年間、半分以上の期間を海外の、電気も上下水もないところで、土地の人に泊めてもらい、できる限り同じものを食べて暮らしてきました。しかし自分の足元、あるいは日本についてあまりにも無知である事を痛感しました。学生時代に国内の山を登り、川を下りましたが、流域や山麓の人々と交流することありませんでした。
  グレートジャーニー終了後は日本を知ろうと足元を見て歩いています。二風谷のアイヌ、山形の鷹匠、新潟のマタギ、東京西部の農林業に従事している人たちと交流しています。その中で最も力を入れているのは私の地元、東京下町での職人達との付き合いです。(中略)
  足元から日本を見ると共に、(2004年)7月上旬から日本人のやって来た道を辿る旅に出ます。考古学、自然人類学、遺伝学などの最近の成果から3つの主要ルートが考えられます。1.シベリアからサハリン経由で北海道へ。2.ヒマラヤの南にルートをとった者たちはインドシナインドネシア、そしてオセアニアに拡散しました。この旅路が「海のグレートジャーニー」にあたります。その一部が黒潮に乗って日本にやって来ました。3.そして中国大陸からダイレクトに又は朝鮮半島を経由してやって来たルート。日本は人も文化もけっして単一でありません。実に多様性に富んでいます。様々な民族が混じりあい、いくつもの文化を作りだしました。
  今回も自分の腕力と脚力にこだわり、寄り道にたっぷりと時間をかけて、6年ほどかけて歩くつもりです。いままで縁の薄かった東アジア、東南アジアを歩いて、見ることが出きそうです。そして少しでも日本人、また自分がクリアに見えればいいなと思っています。 
実はこの文章を読んで(宮沢和史との対談用にいろんなトピックを考えているときでした)、関野さんの新たなプロジェクトへの動機は、もしかしたら普段ロックコンサートが開かれないような小さな町を中心に3年間、日本のすみずみをまわったTHE BOOMの野外ツアーや、その成果となったアルバムを作った宮沢の気持ちと共通するところがあるのではと思ったのです。実際に関野さんと宮沢との対談ではそこまで話がいきませんでしたが、宮沢はこのアルバムについて、リリース時にこんなふうに語っています。
〈去年までの3年間、日本中の様々なところでコンサートを続けている間に、自分なりに日本の良さを再発見することができた。四季折々の美しい彩りを持った風景や文化、そこで暮らす人々の営み。そんな数々がこのアルバムにパッケージされていればいいなと思う。憧れの地、佐渡島で朱鷺(トキ)を見て歌を作ったり、日本の最北端の町を歩いているときに歌ができたり、そうやって自然に出来上がった曲を集めたアルバムです。〉
僕はもちろん楽しみにしていますが、「エセコミ38号」で関野吉晴さんに興味を持った読者にも、この「新グレートジャーニー 日本人の来た道」のオンエアはぜひチェックしてほしいです。