DJ 保坂壮彦インタビュー

今週の金曜からスタートするROCK IN JAPAN FES(8月4日〜6日)に僕は初年度から、たぶん毎年欠かさず行ってます。3日間ではなく1日だけしか行かない年もあるけど。
極東ラジオ/FAR EAST SATELLITEでは、このROCK IN JAPAN FES事業部の兵庫慎司さん(いまはJAPAN編集部?)がレギュラー出演していたこともあって、毎年この時期になるとフェスの特集を組んでいました。兵庫さん含めて僕らがフェス好きなんです。兵庫さん最初のフェス特集が2001年9月の極東ラジオ第233回。話し相手はフェス仙人のタカハシ
で、ROCK IN JAPAN FES(以下RIJF)には今年で6年連続、この極東ラジオ/FAR EAST SATELLITEの番組(時々)スタッフが出演しています。DJ BOOTHのRESIDENT DJ 保坂壮彦。DJ BOOTHがどんな空間なのかは昨年のRIJFこの写真レポートをご覧ください。盛り上がるし、盛り上げるのです、この男。
というわけでRIJF 2006を目前にした保坂壮彦(soultoday)にインタビューです。
□ ROCK IN JAPAN FESには6年連続の出場。フェスまであと2日という今、どんな心境、どんな意気込みですか?
毎年そうなんですが、これでもかというほど足繁くレコ屋やCDショップに足を運んで、色々とDJするにあたってのネタを探して購入しても、“まだ足りないかも…”という不安が付きまといますね。この不安は、家を出てもう後戻りできない状態になって初めて解消されます。それと、これも毎年なんですが、“今年のDJブースはどういう人が集まってくれるんだろうか…”という不安も拭いきれないというか。結局不安がまず最初に沸き起こってきます。でも、なんだかんだいいながら、RIJFESのDJブースは、年を重ねるごとに想像以上の盛り上がりを見せてくれるので、その場でまたDJをやることが出来るということを想像するとわくわくします。不安半分、期待半分ですかね。意気込みはずばり、“ヤングパワーに負けてたまるか!”です。普通のオールナイトのクラブに遊びに来れない若いお客さんもいるわけですから。きっと平成生まれの男子女子もたくさんいるんでしょう。そういう意味でも頑張ります。頑張らなきゃ。
RIJFのDJ BOOTHというのはどんな空間なんですか? RESIDENT DJの役割、心がけていることは?
異空間ですかね。他は全てライブステージなわけですから。DJブースに入り込むとそこだけ違った熱気が常に流れているというか。その熱気に惹き付けられていつもたくさんの人が音楽を聴きに、踊りに集まる空間ですね。それと、役割、心がけていることは、目当てのアーティストのライブを中心に楽しんでいるお客さんへ、“こういう音楽の楽しみ方もあるんだよ”ということを常に投げかけながらDJをプレイしているということですかね。一人でも多くの人に“DJ”というものの楽しさを知ってもらいたいので。これだけ、RIJFESにDJブースという場が根付いてもその気持ちは決して忘れないようにしています。後は、DJをしていないときでも、僕たち、レジデントDJ3人衆は、裏方として色々とDJブースという空間を支えているんです(見えないところで色々と)。その3人の役割のバランスがあってこそのDJブースなのかもしれませんね。あ、大切な心がけをわすれていました。ビールを飲み過ぎないこと、です(笑)。
□ これまでの5年間でもっとも印象に残っているDJ BOOTHでのエピソードは?
んー…。色々ありすぎて…。でもまあなんだかんだいいながら、やっぱり初めて片平くんと2人で3日間通してレジデントDJをこなした2002年が終わった瞬間ですかね。初めての試みを、誰もやったことがなかったことを、彼と試行錯誤しながら成し遂げたあの感慨深い瞬間。凄い印象に残っています。エピソードもたくさんありますねぇ…。THE BOOMの「風になりたい」をかけて大合唱したら途中で針が飛んでしまった事件とかもありましたね。んー…。エピソードというと、どうしても公に言えないことばかり思い浮かんでしまいます(笑)。まあ、エピソードからは離れてしまいますが、やっぱり、お客さんの熱気を浴びた瞬間、その瞬間に感極まってしまうというのは毎年あるので。それと、しつこく毎年のように必ずと言っていいほど流し続けた、中村一義の「キャノンボール」がDJブースのアンセムになったというのも他にはないエピソードなのではないでしょうか。
□ 過去、DJ BOOTHでプレイしたGUEST DJ、パフォーマーの中でもっとも印象に残ってる人は誰ですか?
やっぱり、ハヤシヒロユキPOLYSICS)でしょうね。彼は、“DJ”という概念をぶち壊して新たなものを創り上げてしまいましたからね。ただ音を鳴らすだけではなく、一緒に唄い、踊り、叫び、という。彼がDJをやるようになってから、僕も含めてのレジデントDJの意識もかなり変わりました。盛り上げるというパフォーマンスの大切さを。他では、RYUKYUDISCOでしょうか。今年も出ますが、彼らの音は凄いです。圧巻です。今年は残念ながら出演しませんが、SUGIURUMNも最高でした。彼の音は唯一無二。って、色々思い出してきたらきりがなくなってきてしまいそうです。他にもいっぱいいましたよ。
□ 今夏の保坂壮彦サマーアンセムを3曲あげてください。
いやぁ、実は、この質問が一番きついですね。ネタバラシみたいになってしまいそう。別に隠し事することはないのですが、何曲か、何アーティストかは既に僕の中で、“絶対にDJでかけてやるぜ”、というのがあるのですが、それを前もって言ってしまうと、それを期待されてしまってプレッシャーになってしまいそうなので。それと、サマーアンセムとか言っておきながら、実際プレイしてみたら、“誰も反応してくれなかった…”なんてことになるのも怖いので、言いません(笑)。いや、一つだけ言えます。9月に4年ぶりのライブを行うことが決定した、スーパー・バター・ドッグの曲は必ずかけます。彼らを知らない人にもかけまくって、強引に06年のDJブースの印象的だった楽曲にさせます。って、ちょっと意気込みすぎですかね。
□ 最後にROCK IN JAPAN FESに来る人にメッセージを。
まずは、DJブースに遊びに来て下さい。そして、お金に余裕が無くても、DJ保坂のオフィシャルグッズ「ALL IS ROCK IS ALL」Tシャツを購入して下さい。以上です(笑)。じゃなくて、どうやら今年も三日間快晴が続きそうですよね。RIJFESって初年度の台風での中止があって以降、雨らしい雨が降ってないんですよね。だから、雨対策とか寒さ対策とか。そういうフェスならではの当たり前の準備をしないで遊びに来る人が多いような気がします。暑さ対策のみで。ではなくて、万が一のこともあるので、是非とも野外フェスは、当たり前のように野外なので、天気によって左右されるんだということを念頭に置いて遊びに来て欲しいです。それと無理は禁物ですね。今年から一つまた新しいステージが増えて。見たいアーティストもたくさん増えて。あっちやこっちや走り回る人もいるかもしれませんが、無理しないでのんびりと音楽を楽しんでもらいたいです。RIJFESという場に来なければ出会えなかったアーティストの素晴らしさを偶然知ることも多々あるので。僕も毎年そういう偶然を楽しみに参加しています。まあ、なにはともあれ、やっぱり僕の口から言えることは、“DJブースに遊びに来て下さい!”ですね。出来れば、一日中、DJブースに入り浸るというのもありですからね(笑)。
保坂壮彦(soultoday)
http://www.soultoday.com/
ROCK IN JAPAN FES 2006
http://www.rijfes.co.jp