エセコミ38号

宮沢和史THE BOOMのファンクラブ季刊誌「エセコミ」38号できました。入手(=入会)方法はこちら
表紙の写真は、7月2日の日記で紹介した増山理人さん撮影。ニカラグアの子どもたちです。
巻頭記事は、関野吉晴さん宮沢和史との対談。これだけワクワクした対談はいままでにないです。僕はとても大きな影響を受けました。読者のみなさんにもなにかが届いてますように。宮沢の、この対談を終えての感想は現在発売中の「小説新潮」に記されています。ぜひ、併読していただきたいです。
以下、スペースの都合で誌面上では割愛せざるを得なかった部分です。「音楽」の起源について訊いています。
―――もうひとつ質問させてください。人類にとって音楽って、どうして生まれたんでしょう?
関野 人間と他の動物の違いでいちばん大きいのは、他の動物って自分の個体を維持するか、子孫を残すためにエネルギーを全部使ってるということです。ということは「遊び」がないんですね。ゲームするとかそういう意味じゃなくて、要するに無駄なことをしない。それが生物の基本なんです。サルとかペットはちょっと別で、象なんかも遊ぶときは遊ぶ。でも遊びの幅が思いっきり広いのは人間なんですよ。無駄なことをいっぱいやる。その際たるものが、芸術とスポーツなんですよ(笑)。何にも役に立たないじゃないですか。でも必要なもの。やっぱりないといけない、そういう存在だと思うんですね。たぶん人類がグレートジャーニーに出て――僕の旅は一本の線だけど、いろんなルートがあるわけですね――南に行ってから北に行った人もいるし、北に行って南に行った人もいるし。すると誰かとどっかで偶然に逢っちゃうっていうことがあったはずなんです。出逢ったときに一番最初に考えることは、まず相手に敵意があるかないかですね。怖い。敵意がないことがわかったら、ほっとする。その次に起こるのは、相手のことを知りたいって思ったり、自分を知ってもらいたいということ。そして言葉を考えたり、踊りを踊ったり、歌をうたったり、絵を描いたりしてきた。自分の村に帰ってきて「こういうヤツに出逢った、こういう歌をうたっていたよ、こういう踊りだったよ」って。絵を描いて、「こういう顔をしてたよ」とか。そうやって伝えるためにアートがあった、と。そういう意味で(音楽)はやっぱり人類固有の、大切な存在だと僕は思うんです。