メキシコ到着

僕には2週間の休暇と、メキシコまでの往復チケットがありました。
チケットはマイレージで入手。所持金は8万円と、トラベラーズチェックが320ドル分。
メキシコまでは行く。帰りはサンフランシスコから。それ以外の旅の行程は決めていませんでした。もちろん候補はありました。南米ペルーのリマとクスコへ、1989年以来の再訪。でも、あくまでもチケットは中米メキシコまで。前途多難(それはイヤだ)、ではなく、前途未定な旅。大雪のために、一時間遅れて成田を離陸。
機内では、「地球の歩き方 メキシコ」のほとんどのページに目を通しました。村上春樹が以前旅行記に書いていたメキシコ国内のサンクリストバル・デ・ラスカサスが、急遽、候補地にあがる。そこに行くならほぼ一日おきに移動となります。移動、嫌い。それよりかは南米ボリビアの首都ラパス往復のチケットを買って、サンタクルスに行こうか。迷う。たった2週間しかない旅なのに、太平洋上で、こんなことを悩んでいるのは僕だけだっただろう。この日のメモにあった言葉。「とにかく明日、航空券を買う。明後日から動く。時間は有効に使わねば」。
どうだか。そう思うなら旅立つ前に予定を組んでおけばいいのに。
同日11時30分、サンフランシスコ空港に到着。空港内のメキシカンレストランでチキン・タコ2.9ドル、チップス&サルサ2.1ドル、アイスティー1.9ドル。
ここで、メキシコシティー行きの飛行機に乗り換え。
機内ではずっと寝ていた。機内食も食べず。日本人は僕だけ。グアダラハラのミゲル・イダルゴ国際空港で降りてメキシコへの入国審査を済ませ、もう一度同じ飛行機に乗る。長旅だ。
20時過ぎ。メキシコシティー着。空から見下ろす夜景はオレンジ色の灯りの洪水のようだった。大都会。70ドルを空港で両替(1ドル=10.9ペソ)。空港タクシーは130ペソ。時速80キロから100キロで走る。車間距離が短い。
今回、自分の旅ではじめてホテル(正確にはホステル)を予約した。インターネットで日本から。異国に夜に着いても、重い荷物を背負って安宿街をうろつくこともなく、タクシーで直行! なんたる便利さ。
住宅街の、外観からはそこがホステルだとはわからないビルの前にタクシーは停まった。インターフォンを使い、予約していることを英語で告げて、ドアを開けてもらう。あ、これは安全だと感心する。受付の女の子がかわいい。ロビー、というよりリビングといったスペースで、フェルナンドというハワイから来た旅人にピザを一切れもらう。これから半年、世界を旅するそうだ。
フレンドリーでいい宿。写真は僕が泊まった部屋。インターネットは30分で10ペソ。