『テキサス・チェーンソー』は嫌い

昨日、マンガ『バクマン』を突如、一気に1巻から9巻まで購入して、午前1時までかかって全部読みました。すごーくおもしろかった。僕はマンガをあまり読まなくて、たぶんこの10年間で全部買って読んだ長編マンガって『スラムダンク』、『カイジ』、『デスノート』、『岳』(進行中)、それにこの『バクマン』ぐらいだ。マンガは連載中に読み始めると続きが読みたくなるから「手出し禁止」という自分ルールを、また破ってしまった。『岳』は登山に興味持った延長だったけど、『バクマン』は漫画家の話というのは知っていて、それって『まんが道』や『サルまん』といった偉大な先達があるしなーって興味なかったはずなのに、見事にハマった。早く続きが読みたい!
今週観た映画は『ゾンビランド』と『インセプション』。『インセプション』は、『マトリックス』的で複雑な構造の意識下世界を、きちんと整理して、上手に、スペクタクルに見せてくれた。でもこの映画、僕だったらDVD化のときに画面の右端にでもそのときの「階層」を表示したいなあ。「LEVEL 1」とか。この文法、参考になるもん。別に映画監督を目指すわけではないけど。あと、『インセプション』を観てる最中、いとうせいこうの小説『解体屋外伝』も映画化されればいいのに、と思った。
ゾンビランド』は、タイトル通りゾンビものだけど低予算なホラー映画ではない。すごく金かかってるし、きちんと撮られてる。それにテーマは感染の恐怖ではなくて、ゾンビ増殖の世界の中でサバイバルする主人公の成長っぷり。「成長」といってもフィジカル的に強くなっていくというのではなく、ゾンビ発生まではひきこもりだった青年が、極限状況の中で他者との関わりを学んでいくというもの。それをゾンビ世界で描くというのがおもしろかった(ほんとに笑えるのです)。僕はゾンビ映画スプラッター的な恐怖を味わいたいのではない。だから『テキサス・チェーンソー』みたいなシリアル・キラー的なものは興味がなく、嫌い。気持ち悪いよ!
生者/ゾンビはもう同じ世界にあって、噛まれたか噛まれてないか皮一枚の違いでしかない。そんな世界で「それで、どうするの?」と考える必要性を強烈に突きつけてくる、示唆してくれるのが、僕が好きなゾンビ映画