「あとがき」はない

僕とうつとの調子っぱずれな二年間

僕とうつとの調子っぱずれな二年間

  • 作者: 三保航太,はらだゆきこ
  • 出版社/メーカー: メディア総合研究所
  • 発売日: 2009/05/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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僕の本に「まえがき」はあるけど、「あとがき」はありません。理由は簡単で、調子っぱずれはまだ続いているからです。でも、調子っぱずれとの付き合い方も二年も経つとさすがにわかってきます。僕は歪んだアンテナの修理法を学んだ。本にはそのことを書いています。
大友克洋AKIRA』の主人公が「健康優良不良少年」と名乗るなら、僕も似たようなものです。清志郎の死のショックで、完全に調子っぱずれだった今月の最初の診察、担当医に4月末に10キロのレースに出たことを話すと、「よくこの状態で走れましたね」とへんな感心をされました。少年ではないけど、健康優良!
あー、あとがきよりも、その続きを書いていきたいです。もう僕は新しい章を生きています。映画『羊たちの沈黙』のレクター博士役について、アンソニー・ホプキンスは「私は精神の暗部に惹かれる。人間の最も創造的な部分だからだ。精神の暗部を否定すれば人生はつまらなくなる」と語っていました。でも、レクター博士と違って(あたりまえだ!)、僕の精神の暗部なんて、そのほとんどの成分は「マヌケ」です。うつによって「健康優良マヌケランナー(サブ4!)」となった僕が、精神の暗部を否定(無かったことに)しないで本にしたのが、この『僕とうつとの調子っぱずれな二年間』です。