加藤登紀子 feat. カクマクシャカ / GANGA ZUMBA

昨日、7月28日のFIELD OF HEAVENのこと。
僕にとって今年のフジロックで最大の目当てがこの日の加藤登紀子さんのステージでした。カクマクシャカが大抜擢されて沖縄から呼ばれ、一緒にステージに立つ! カクマクシャカは今年6月、「STOP ROKKASHOナイト」の前日、明治学院大学で登紀子さんと出会う。残念ながら僕はこのファースト・コンタクトを観ることはできなかった。その翌日に観たのはカクマクシャカと坂本龍一さんとの固い握手。うわ、まだあれから2ヶ月もたってないんだ。
天気予報に反旗を翻した苗場の空はギリギリのところで雨をこらえてる。13時からのSandiiのステージが、去年の朝霧JAMをこえるパワーとスケールで展開された。そしていよいよ、加藤登紀子さん。5000人が入るらしいFIELD OF HEAVENは後ろのほうまで人がいっぱいになっている。フジロック・ファンのこういう「好奇心」を僕はすごくリスペクトしてる。僕はステージからわずか10メートルぐらいのところで緊張している。これは去年11月、タイ・バンコクでのkiiiiiiiのライヴ直前の気持ちとまったく同じ。
ライヴに関してはFujirock Expressのレポートが詳しいです。素晴らしいレポート。
Fujirock Express 「加藤登紀子 圧倒と畏怖のジオラマ
http://www2.fujirockexpress.com/06/report/report.php?id=227
FUJIROCK EXPRESS BLOG 加藤登紀子(写真)
http://fujirockexpress.net/index.php?itemid=147&catid=5#more
加藤登紀子さんのステージを観るのは今日が初めてでした。南アフリカのミュージシャン3人を含む5人編成のバンド。2曲目のジョン・レノンの「POWER TO THE PEOPLE」でもうやられた。3曲目のモンパチの「あなたに」で泣いてしまった。僕も他のみんなと同じように拳をふりあげ、歓声をあげた。「檸檬 Lemon」では山田玲司『絶望に効くクスリ』で読んだ登紀子さんの夫、藤本敏夫さんのエピソード(→『絶望に効くクスリ 3』に収録)が頭の中によみがえった。大きな人なのだ、登紀子さんは。もちろんベテランということもある。今回のフジロック出演者の中でもっともキャリアのある人かもしれない。でもそんなことより人間の大きさがそのステージを観ただけで感じられる。僕ら(「見込みがある」そうです! よかった!)を包む優しさと強さ。
カクマクシャカが登場したのは最後の曲「NOW IS THE TIME」(それまでの流れがあまりに凄すぎて、カクマクの出番がなくなったのかとドキドキしていました)。カクマクシャカは間奏でステージに飛び出してきて、フリースタイルでのラップ(あとで訊きました。考えてきたライムはあったそうですが、ステージに出た瞬間にあの即興にチェンジしたそうです)。僕はしびれた。たぶんわずか1分ぐらいのステージだったと思う。でもそれは「永遠に残る」記憶になった。これが未来になった!
TOKIKO WORLD 「私のFUJI ROCK FESTIVAL コンサートが終わりました。」
http://www.tokiko.com/test/tokiko_now/t20060728001.html
8月19日、カクマクシャカRISING SUN ROCK FESで、「無知の知/僕と核」をコラボレートしたShing02といよいよ一緒にステージに立ちます!

Fujirock Express 「GANGA ZUMBA 1」(写真)
http://www2.fujirockexpress.com/06/report/report.php?id=245
Fujirock Express 「GANGA ZUMBA 2」(写真)
http://www2.fujirockexpress.com/06/report/report.php?id=250
FUJIROCK EXPRESS BLOG GANGA ZUMBA(テキスト)
http://fujirockexpress.net/index.php?itemid=129&catid=5#more
僕にとってもうひとつのベストライヴが同じくFIELD OF HEAVENのGANGA ZUMBAだった。しかし、Sandii→加藤登紀子GANGA ZUMBAというこの日のHEAVENの流れはすごいなあ。おかげで僕はHEAVENとAVALONあたりだけで午後を過ごしました。
7月28日のフジロックにはザ・クロマニヨンズも出てる(観た! すごかった!)。GANGA ZUMBAザ・クロマニヨンズもまーったく「無名」の新人バンド。でも、これは僕の想像だけどザ・クロマニヨンズのWHITE STAGEには「ヒロトマーシーの新しいバンドだから」ということで人が集まり(そして、期待以上のパフォーマンスを見せ)、GANGA ZUMBAのFIELD OF HEAVENには「宮沢和史の〜」というより、読み方もわかんないけど(「ガンガ・ズンバ」です)なんかしらの嗅覚でかぎつけて来た人(たとえばマルコス・スザーノの名前だとか、去年の中南米ツアーのウワサだとか)が多かったような気がする。根拠ないけど。
GANGA ZUMBAのテーマ」から始まったステージは、「BRASILEIRO IN TOKIO」と「ちむぐり唄者」を除けばあとはすべて8月2日発売のファーストアルバム『HABATAKE!』に収録されている新曲ばかり(そういう意味では宮沢がステージで言ってたように「まだアマチュアバンド」)。なのにこの反応! 
ロックフェスの参加者はリズム・ジャンキーばかりなのだ。特にフジロックにそれは顕著だと思う。僕らはFLOGGING MOLLYアイリッシュ・パンクで騒ぎ、Sandiiのハワイアンでオリエンタルなリズムで腰を揺らし、GANGA ZUMBAでダンスする。GANGA ZUMBAのリズムは音楽にオープン・マインドな人たちを刺激する。実は歌詞の言語はあまり関係ないかもしれない。初めて聴く曲ばかりなはずなのに、これまでの世界になかったハイブリッドでミクスチャーな音楽なのに、次々と繰り出してくる新たなリズムに僕らは反応し、声を出し、踊る。それは、たぶん「宮沢和史」のファンが会場のほとんどを占めていたはずの4月のSHIBUYA-AXよりずっとすごい。FIELD OF HEAVENのこの反応は僕が去年観たメキシコでのフェスに彼らが出演した際の観客のそれと何も変わることはない。なんて客観的に分析したようなことを書いてる僕がものすごい勢いで踊っている。
最後の曲、「Mambolero」のとき、ステージ前方での泥の上でのダンスはあとちょっとのきっかけがあればモッシュになりそうなぐらい盛り上がっていたよ。観客、会場の雰囲気も含めてここ数年で観た彼らのベストライヴ!